斉藤仁氏の次男・立が世界一王手 初の世界選手権で決勝進出の快進撃 世界柔道
「柔道・世界選手権」(12日、タシケント)
男子100キロ超級が行われ、初出場の斉藤立(20)=国士舘大=が準決勝でラキモフ(タジキスタン)に反則勝ちするなど4試合を勝ち上がり、決勝に進出した。父で五輪2連覇の故斉藤仁さんも83年大会を制している大舞台で初の金メダルに王手を懸け、決勝はグランダ(キューバ)と対戦する。
斉藤は初戦、世界ランク2位のスパイカース(オランダ)にやや苦戦し延長戦に突入したものの、相手のスタミナが切れたところで大外刈りで投げ切って一本勝ちと快勝発進。3回戦はアルカンタラ(ドミニカ共和国)に内股で一本勝ちした。準々決勝は難敵のハモー(ウクライナ)と対戦したが、しっかり釣り手と引き手を持つスタイルを崩さず、最後は足車で一本勝ちの完勝。準決勝までの4試合、反則を含めて全て一本勝ちという快進撃で決勝まで進んだ。
国士舘大3年の20歳ながら、今年4月の全日本選手権を制し、初の世界代表に選ばれたホープ。192センチ、160キロ超の巨体から繰り出す切れ味鋭い技を武器に、昨年11月には初めてワールドツアーで優勝するなど、最重量級復活を目指す日本男子ではパリ五輪金メダル候補として期待を受けている。
パリ五輪代表争いでも重要となる初の大舞台に向けては「自分は(2年先の)パリばかりを見るのではなく、1試合1試合を大切に自分の全ての命をかけて勝ちにいきたい。優勝します!」と自らを奮い立たせていた。
今大会は五輪2連覇のテディ・リネール(フランス)が欠場しており、強豪のロシア勢も除外。東京五輪金メダルのクルパレク(チェコ)、18年世界王者のトゥシシビリ(ジョージア)も早期敗退となる波乱のトーナメントで、2022年現在の世界最強を証明する。