不祥事巡り動かぬバドミントン協会 声上げ始めた選手達「声上げないと後悔」「恥ずかしくないですか?」

 日本バドミントン協会の元職員が約680万円を私的流用した問題などを巡り、同協会の対応に批判が集まっている。協会は第三者委の調査をもとにした最終報告書を日本オリンピック委員会(JOC)に提出したもののその内容は公表していない。関係者によると、第三者委は理事有志による流用の穴埋めやJOCから指摘を受けるまで事案を公表しなかったことを協会幹部主導の隠ぺいと認定。9月臨時理事会で対処に問題があった一部幹部を「厳重注意」などとする処分を決めた。

 一連の問題は17日に開かれるスポーツ庁やJOCなど5者による円卓会議で「不祥事事案」として報告され、協会に対して国の強化費を20%削減する処分を科す見通し。JOCは、同協会に第三者委員会の調査で認定された事実関係や関係者の処分内容とその理由、再発防止策の3点について、記者会見を開いて公表するように強く促している。

 一向に公式的な説明をしない、“動かぬ協会”に選手たちも声を始めた。男子ダブルスで東京五輪にも出場した園田啓悟(32)は14日に自身のインスタグラムを更新し、「正直、静観しようと思ってましたが、強化費20%削減の記事が目に入り、元日本A代表、元日本B代表出身の自分、そして、自分の立場とか関係なしに、何よりも男として声を上げなかったら後悔すると思い投稿しようと思いました」と綴り、現在のバドミントン界を取り巻く状況に言及した。現在の選手達の頑張りを記し「今バドミントンは違う意味でメジャーになってきています。こんな事は、絶対駄目です。20%削減されなかったら、遠征に行けて人生が大きく変わった子もいるでしょう。これは日本バドミントン界に置いて、大きな大きな損失だと思います」と、強化費削減に危機感を示した。その上で「素直に、日本バドミントン協会 本当に大丈夫ですか?恥ずかしくないですか?元日本代表として、こんな事で、若手の大事な大事な未来を壊して欲しくないです。クリーンな日本バドミントン協会でありますように」と、問いかけた。

 女子で16年リオデジャネイロ五輪銅メダルの奥原希望(27)も13日に自身のツイッターで、協会幹部が問題について東京五輪前の公表を控えたことに「選手たちを守らないといけないという思いだった」と発言したことをことを指摘し、「今でもその思いはあるのかな。これ以上関係者を失望させないでほしいです。誠心誠意、みんなが納得する対応をお願いしたいです」と、願った。

 選手達の声は果たして届くか。

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