体操日本代表、本番器具を購入できず四苦八苦「土俵に立てない」1週間早い現地入りで代替

 体操男子の世界選手権(29日開幕、英リバプール)代表が15日、現地への出発前に都内で会見した。今年は大会本番で使用されるジムノバ製の器具を代表強化拠点に全種目分そろえることができなかったといい、代替として例年よりも1週間ほど早く現地入りし、時差調整とともに本番器具を使った強化も行う長期滞在プランを採ることが明らかになった。

 団体総合では15年グラスゴー大会以来となる優勝を目指す日本男子だが、小さな故障を抱える選手も多く、ようやくメンバー全員が合宿にそろったのは前日だった。水鳥寿思監督(42)は「必ずしも順調に来たわけではないが、昨日試技会でほぼパーフェクトに近い内容には上がってきている」と手応えを強調。一方で、「チーム状況は東京五輪や例年に比べてやや積み上げができていない。普段だったらナショナルトレーニングセンター(NTC)に(本番と同じ)器具を入れて(強化を)実施できたが、状況が変わって器具を入れられなかった」と不安材料を明かした。

 日本代表は毎年、五輪や世界選手権などの大きな大会に合わせて本番と同じ器具を用意して強化してきたが、今年度は強化拠点であるNTCでの購入申請が許可されなかった。日本協会としても追加で予算を立てることが難しく「取捨選択でそれだけは」(水鳥監督)と、優先的にジムノバ製の平行棒のみを購入。鉄棒、跳馬は5年前から使っていた同社製のものがあったものの、それ以外は現在施設内にあるセノー製の器具を使って練習するしかなかった。

 微細な感覚で演技を競う競技だけに、本番器具に慣れているかは死活問題。代替案として、例年よりも1週間ほど早く現地入りし、本番器具で練習を積む日程を組んだ。水鳥監督は「現地で全ての器具を試した状態で臨む。課題やできてないところは(現時点では)正式な器具で全部を試せていない。そこをしっかり乗り越えないと(ライバルと同じ)土俵に立てない」と不安を明かし、「普段だったら時差調整合宿のところを強化合宿として乗り越えられるか。今までと違う取り組みになる」と、新たなアプローチ方法で臨む大一番に緊張感をにじませた。

 谷川航(セントラルスポーツ)は「(合宿では)器具に最初ちょっと手こずったが、徐々に合ってきて、今は思い切ってできる準備ができてきた。あとは現地でしっかり合わせられれば、いい結果が残せると思う」と調整に自信。東京五輪2冠の橋本大輝(順大)は「団体決勝では一番最初におそらく僕が演技して、最後に鉄棒で締める形になるので、重要な場面で演技を決めたい。個人決勝は最後鉄棒で課題の着地を克服して(王座に)返り咲くことが目標」と意気込みを語った。

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