バド協会横領問題で強化費20%削減 スポーツ庁担当者は怒り「選手にだけ悪影響が及ぶのは本望ではない」

 スポーツ庁は17日、日本オリンピック委員会(JOC)など5者による円卓会議を開き、日本バドミントン協会の元職員による私的流用を巡り、協会幹部の対応に問題があったとして、令和5年度の国の強化費を20%削減することを決定した。バドミントン協会は今週中にも会見を開く予定。

 バドミントン協会は元職員による680万円の私的流用などを19年春には把握していながら、「東京五輪に迷惑が掛かる」と公表していなかった。JOCに促され、内部調査を経て今年3月に問題を公表。ただ、JOCから再調査を求められ、4月に外部弁護士らからなる第三者委員会を設置。第三者委の調査の結果、協会幹部が隠ぺいを主導したと認定した報告書が9月13日に提出されたものの、協会は10月17日現在まで公表はしていない。

 現在協会はスポーツ団体ガバナンスコードの適合性審査を受けている最中。これが不適合と判断されれば助成申請ができなくなり、20%の削減どころか、令和5年度の強化費が0円となる可能性もある。協会への国からの強化費は令和3年が約3・1億円、令和4年が約1・7億円だった。

 JOCはバドミントン協会に対して第三者委員会の報告書の公表と、協会内の処分の根拠説明を求めており、スポーツ庁もこれを支持している。スポーツ庁の室伏広治長官は「協会には公共性を有する組織として自覚を持ち、選手の活動環境に悪影響が及ばないように説明責任を尽くした真摯(しんし)な対応をしていただきたい」と強調。スポーツ庁の担当者は「再三にわたるJOCやスポーツ庁からの要請を無視している。(協会は)全く悪くないと思っている印象。(公表に至らないのは)第三者委員会の内容に納得いってないのでは。名誉毀損(きそん)になるから公表できないとJOCに言っているみたい。納得できないならそれを説明すればいい」と語気を強めた。

 20%の助成金削減が決まるのは、バレーボール協会に次いで2例目。円卓会議では、「今回のような対応で、同じ20%でいいのか」と問題提起もなされたという。

 来年にはバドミントンの五輪選考レースも始まる。それだけに、スポーツ庁の担当者は「選手にだけ悪影響が及ぶのは本望ではない。大事な時期なのに問題あると思います」と怒りをあらわにした。

 JOCはバドミントン協会に記者会見を開くことを求めており、今週中に協会幹部が対応する。

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