強化費減、選手訴えも動かぬバド協会 第三者委調査結果不満 スポ庁担当「全く悪くないと思ってる印象」

 スポーツ庁は17日、日本オリンピック委員会(JOC)など5者による円卓会議を開き、日本バドミントン協会の元職員による私的流用を巡り、協会幹部の対応に問題があったとして、令和5年度の国の強化費を20%削減することを決定した。令和4年の強化費は約1・7億円で、これに照らすと約3500万円が削減される。

 現在協会はスポーツ団体ガバナンスコードの適合性審査を受けている最中。これが不適合と判断されれば助成申請ができなくなり、20%の削減どころか、令和5年度の強化費が0円となる可能性もあり、24年パリ五輪へ選考レースも始まる中で、今後の選手強化への影響は避けられない状況となった。

 問題についてJOCから再調査を求められ、4月に外部弁護士らからなる第三者委員会を設置。第三者委の調査の結果、協会幹部が隠ぺいを主導したと認定した報告書が9月13日に提出されたものの、協会は10月17日現在まで公表はしていない。この状況をスポーツ庁、JOCは問題視している。スポーツ庁担当者は「再三にわたるJOCやスポーツ庁からの要請を無視している。(協会は)全く悪くないと思っている印象。(公表に至らないのは)第三者委員会の内容に納得いってないのでは。名誉毀損(きそん)になるから公表できないとJOCに言っているみたい」と、明かし、「納得できないならそれを説明すればいい」と語気を強めた。

 “動かぬ協会”に選手たちも声を上げ始めており、男子ダブルスで東京五輪にも出場した園田啓悟(32)は14日に自身のインスタグラムを更新し、「正直、静観しようと思ってましたが、強化費20%削減の記事が目に入り、元日本A代表、元日本B代表出身の自分、そして、自分の立場とか関係なしに、何よりも男として声を上げなかったら後悔すると思い投稿しようと思いました」と綴り、現在のバドミントン界を取り巻く状況に言及した。現在の選手達の頑張りを記し「今バドミントンは違う意味でメジャーになってきています。こんな事は、絶対駄目です。20%削減されなかったら、遠征に行けて人生が大きく変わった子もいるでしょう。これは日本バドミントン界に置いて、大きな大きな損失だと思います」と、強化費削減に危機感を示した上で「素直に、日本バドミントン協会 本当に大丈夫ですか?恥ずかしくないですか?元日本代表として、こんな事で、若手の大事な大事な未来を壊して欲しくないです。クリーンな日本バドミントン協会でありますように」と、問いかけた。

 女子で16年リオデジャネイロ五輪銅メダルの奥原希望(27)も13日に自身のツイッターで、協会幹部が問題について東京五輪前の公表を控えたことに「選手たちを守らないといけないという思いだった」と発言したことを指摘し、「今でもその思いはあるのかな。これ以上関係者を失望させないでほしいです。誠心誠意、みんなが納得する対応をお願いしたいです」と、つづっている。

 JOCはバドミントン協会に記者会見を開くことを求めており、今週中に協会幹部が対応する見込みだが、果たして。

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