坂本花織 新スタイルで海外GP初V ネーサン・チェン振付師迎え衣装もこだわり

 女子で優勝した坂本花織のフリー(ISU提供・ゲッティ=共同)
 女子で優勝した坂本花織(中央)。左は2位のイザボー・レビト(AP=共同)
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 「フィギュアスケート・スケートアメリカ」(23日、ノーウッド)

 女子フリーが行われ、世界女王でショートプログラム(SP)1位の坂本花織(22)=シスメックス=がフリーで今季自己ベストの145・89点をマークし、合計217・61点で初優勝した。グランプリシリーズ(GP)通算3勝目で、海外開催のGPでは初の頂点となった。SP8位の松生理乃(中京大中京高)は体調不良で棄権。アイスダンスのフリーは、リズムダンス(RD)5位の村元哉中、高橋大輔組(関大KFSC)が合計169・68点で6位だった。

 GPデビューから6季目。ファイナルを含めれば11戦目にして、坂本は海外では初の頂点に立った。シニア1年目から出場した縁のあるスケートアメリカで「5回目にして優勝できた。すごくうれしい」とはじけるような笑みを浮かべた。

 しっとりとした女性ボーカルの曲に、豪快なジャンプと躍動感あふれる滑りを織り交ぜた。後半には、SPでミスした2連続3回転を成功。演技を終えると観客は立ち上がり、圧勝を称えた。

 北京五輪銅メダル、世界選手権初制覇と大躍進した昨季。追われる立場になったが、守りには入らない。男子のネーサン・チェン(米国)を五輪王者に導いた振付師を新たに迎え、衣装は製作過程から参加。「どうしたら体が一番良く見えるか分かってきた」と細部までこだわる。「人生で初めて」ショートカットにもトライし、新たなスタイルの確立に挑んでいる。

 優勝を確認したキスアンドクライでは、「えー!」と歓喜の声を上げた。「どうしてもファイナル(12月・トリノ)に行きたい気持ちがある。モチベーションにも関わってくるので優勝しておきたかった」と、大きな後押しにもなった。

 GPファイナル初優勝の期待がますます高まる新シーズン。2位に入った15歳のレビトから憧れの選手に挙げられ「すごくうれしかった。シニア、ジュニアの選手たちを引っ張っていけるように」。照れ笑いの奥に、世界女王の自負がのぞいた。

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