小平奈緒さん、五輪に感謝も今は距離置く「スポーツの愉しさ考え直す」「利用されたくない」

 笑顔で引退会見する小平奈緒さん(撮影・金田祐二)
 笑顔で引退会見する小平奈緒さん(撮影・金田祐二)
 引退会見の小平奈緒さんに質問する清水宏保氏(撮影・金田祐二)
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 スピードスケート女子で、22日の全日本距離別選手権を最後に現役を引退した小平奈緒さん(36)=相沢病院=が27日、都内で会見を開いた。自身が4大会に出場した五輪については「成長させてもらった」と感謝しつつ、「今は距離を置きたい」と心境を語った。

 現在、日本オリンピック委員会(JOC)と札幌市は2030年冬季大会招致にも乗り出しているが、小平さんは「私自身は(エリート)競技と少し距離を置きたい思いがある」と吐露。「札幌五輪招致に協力してほしいという要望もあるが、競技力や五輪というところではなく、純粋なスポーツの愉しさというのをもう一度私自身考えてみたい。人生を豊かにするものがスポーツであってほしいというのが、私がすごく大切にしたいところ。いろんな(良くない)問題を耳にすることがあるが、この(引退した)勢いで何かを始めてしまうのではなく、いったん冷静にスポーツの在り方を考え直す必要があると思っている」と明かした。

 また、五輪という舞台への思いについては「五輪はスポーツをやる人たちにとって必要なものであってほしい。支える人にとっても、見る人にとっても、いいものであってほしいという願いは持ち続ける」と言及。一連の五輪汚職などについて具体的に触れはしなかったものの、「私も4回の五輪に出て、たしかに成長させてもらってきたという思いがあるので、それを利用されたくないなという思いはある。純粋に世界を明るくする舞台であってほしいし、世界の人と人をつなげるものであってほしい。(アスリートが)自己実現できるチャンスであってほしいので。五輪を目指すことは全然悪いことではない。それを支えてくれる人が真摯(しんし)にスポーツと向き合ってくれることをただただ祈っている」と語った。

 小平さんは今後、各地で講演活動を行うほか、母校の信州大で特任教授に就任する。

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