小平奈緒さん 信州大特任教授就任 健康科学&キャリア形成の講義担当
スピードスケート女子で22日の全日本距離別選手権を最後に現役を引退した、2018年平昌五輪500メートル金メダルの小平奈緒さん(36)=相沢病院=が27日、都内で会見を開いた。今後は各地で講演活動を行うほか、母校の信州大で特任教授に就任することも発表。「皆さんの近くで地に足をつけた活動をしていきたい。慣れない舞台での活動が増えるが、唯一無二の自己表現という、これまでと変わらないテーマを引き続き探究したい」と語った。
氷上の求道者が、教育者として第二の人生のスタートを切る。小平さんはシックなスーツ姿で引退会見に臨み、すがすがしい様子で今後の活動を報告。11月1日付で母校の特任教授に就任し、来年1月から1年生対象の健康科学やキャリア形成の講義を担当するが、「まさか大学の先生になるとは思ってなくて、どういった授業ができるのか不安はある」とはにかみつつ、「世の中には私が見てきていない景色がある。そこでの学びをしっかりキャッチし、新しい生き方をしていけたら」と意欲をのぞかせた。
22日のラストレースは、地元長野で満員の観客に見守られながら有終の美を飾った。「無事に最後のレースを全うすることができた。今も夢のようで、毎朝ほっぺたをつねって現実だったんだと確認するような毎日」。大会後は夜更かししてファンからのメッセージに目を通しているといい「ちょっと寝不足(笑)。読み終えたら生活リズムをつくりたい」と笑った。
引退後の余暇として山登りや語学の“解禁”にも意欲。また、スケートは趣味として楽しむものの「競技力や五輪というところではなく、純粋なスポーツの楽しさというのをもう一度考えてみたい」と、トップ競技とは距離を置きながら探求を続ける。