体操男子「銀」で五輪切符 あん馬で乱調の谷川翔は涙 優勝逃し「おれのせい」

 「体操・世界選手権」(2日、リバプール)

 男子団体総合決勝が行われ、橋本大輝(順大)谷川航、弟の翔(ともにセントラルスポーツ)神本雄也(コナミスポーツ)土井陵輔(日体大)の日本は6種目合計253・395点で銀メダルとなり、7年ぶりの優勝を逃した。2024年パリ五輪の出場権は獲得した。中国が257・858点で圧勝し、18年大会以来の頂点。3位英国までが五輪出場を決めた。予選1位の日本は、2種目目のあん馬で土井に続いて落下した谷川翔が11・000点と低迷。エース橋本は跳馬で着地が乱れ、鉄棒で落下した。

 種目別トップと好発進した床運動の直後、日本に落とし穴が待っていた。宿敵中国を上回る得点を見込んだあん馬で土井が落下。15点台を出す実力もある谷川翔は11・000点と大乱調で、決勝後は「おれのせい。仕事を果たせなかった」と涙が止まらなかった。

 予選は5人全員が持ち味を発揮し、2位に約8点の大差で通過。2019年大会で団体総合銅メダルの谷川翔は「3年前はいい内容で3位。今年は圧倒的な強さを感じていた」と期待が高まっていた。

 だからこその重圧か。あん馬は演技直前の練習で落下していた倒立技でバランスを崩す。焦りから「手に体重が乗る、いつもの感覚がなくなった」と旋回が乱れて落下。最後までリズムはつかめず、降り技も崩れた。

 2種目を終えて6位に沈み、中盤は中国に5点以上のリードを許す完敗だった。予選4位のライバルは勝負強さが際立ち、最後の床運動は技の難度を下げる余裕の逃げ切り。水鳥監督は「楽に試合をさせてしまった」と嘆いた。

 7年ぶりの頂点に届かず、東京五輪に続いて2位の橋本は「団体の金はすごく遠いと改めて感じた」。厳しい現実を受け止め、糧とするしかない。

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