羽生結弦さん 珠玉の90分 プログラムすべて「妥協せず」セルフプロデュース

 11月4日午後6時。フィギュアスケート男子の14年ソチ、18年平昌五輪金メダリスト、羽生結弦さん(27)のプロ転向後初のアイスショー「プロローグ」が、横浜市ぴあアリーナMMで幕を開けた。

 コンセプトやステージ構成まで、全てを羽生さん自身がプロデュースした、このワンマンショー。「自分の中では、妥協せず、みなさんにお見せできるものができた」と胸を張って言う。過去の名プログラムを7曲。そして今回自身が新たに振り付け、プロジェクションマッピングでも魅了した新ナンバー「いつか終わる夢」も初披露した。          

 挑み続ける羽生さんの第2章。この90分が「これから始まる物語に向けてのプロローグ」となる。

 ショーの冒頭、VTRの上映が終わると、羽生さんは白のジャージー姿でリンクへと飛び出した。「ただいまより、6分間練習を開始いたします」-。いつものようにウオーミングアップ。トリプルアクセルを降りると、白のジャージーを脱いだ。ファンから拍手がわき起こる。試合会場で見慣れた光景が、そこにはあった。

 プロとしての第一歩は異例の演出で始まり「SEIMEI」で幕を開けた。4回転サルコーや4回転トーループをしっかりと着氷。試合では違反となるが、あえてトリプルアクセルを3本入れた構成で魅了した。

 幼少期の演目から、最後は北京五輪のエキシビション「春よ、来い」まで。過去を振り返る映像を挟んで衣装を替えながら、これまでの道のりを示した。演目もその順番も、全て自身が考案した。

 6分間練習は、あえて試合同様明るい照明の“演出なし”で勝負した。「正直どういう反応をしていただけるか、僕自身も試合ではない中でどれくらい集中できるか、不安で仕方なかった」というが「まず1日目をやり抜いた感想としては、ある意味成功したんじゃないかと思う」と羽生さん。新プログラムと「春よ、来い」の2曲は、MIKIKO氏に依頼し、鮮やかなプロジェクションマッピングが花を添えた。

 波のようなスタンディングオベーションの数々と、割れんばかりの拍手。詰めかけた大勢のファンの瞳は輝き、時に涙で潤んでいた。

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