スキー複合の渡部暁斗、育児両立の新シーズンは「不安」と「楽しみ」練習時間制約も「進化見せる」
ノルディックスキー複合男子で五輪3大会連続メダルの渡部暁斗(34)=北野建設=が6日、欧州遠征への出発前に羽田空港で取材に応じた。5月に第二子が誕生したことを機に、競技だけでなく育児にも時間を割いて両立に挑戦。夏場の練習量は従来よりも抑えただけに「正直不安もある」と吐露しつつ、25日にフィンランドで開幕するW杯に向けて「ガラッと(スタンスを)変えた挑戦として楽しみだし、どうW杯で戦えるのか新鮮な気持ちで臨める」と心境を語った。
2月の北京五輪後、2児の父として新たなアプローチで臨む新シーズン。今までのように時間やエネルギーを100%競技に注げないものの、時間の重みが変わったといい「一分一秒の集中力が問われる。時間を無駄にできない」。今回も約2カ月の遠征となるが、「(家族に)大変な思いをさせてしまう。向こう(妻)も覚悟を持って背中を押してくれるので(遠征を)有意義に過ごしたい」と覚悟をにじませた。
また、環境問題への取り組みも本格化。10月のシーズン開幕前会見では「広告募集」とプリントされた帽子をかぶって登壇し、9月に契約満了となったヘッドギアのスポンサーとして環境問題に共に取り組めるエコパートナーを募集していたが、渡部の取り組みに賛同する数社からオファーがあったという。「開幕戦では何らかのスポンサーを(ヘルメットに)付けるので、注目して楽しみにしてください」と笑顔で予告。育児も含め、競技以外の活動にも力を入れるからこそ「まだまだ進化したところを見せて、結果を伴って金メダルを取りたい」と決意を新たにした。