日本代表ロコが初代王者 吉田知那美「我慢、我慢、我慢でたどりついた」成長に感慨
「カーリング・パンコンチネンタル選手権」(6日、カルガリー)
女子決勝が行われ、日本代表で北京五輪銀メダルのロコ・ソラーレが、世界ランク3位の韓国と延長戦までもつれる接戦を8-6で制し、優勝した。初開催の新大会で初代王者に輝き、メンバーは感涙しながら歓喜。スキップの藤沢五月(31)は「相手がラスト良くてメンタル的にタフなシチュエーションだったが、エキストラエンドでもしっかり我慢して集中力を切らさなかったのが良かった。(今大会は)苦しんだゲームもたくさんあった中、常に前向きに“ステイポジティブ”で、負けた試合も落ち込まずポジティブだったことが良かった」と喜びに浸った。
今大会は昨年まで開催されていたパシフィック・アジア選手権に替わる新設大会。アメリカ大陸のチームが加わったことでレベルも上がった。日本は1次リーグを6勝2敗で突破後、準決勝は強豪カナダに苦戦したが、終盤に劇的な逆転勝利。決勝も韓国に第10エンドで追いつかれる苦しい展開だったが、エキストラエンドは藤沢が最終ショットで相手ストーンをはじき出し決着をつけた。
新たなタイトルを手にし、サードの吉田知那美(31)は「2022年の五輪が終わって心身ともに疲労困憊(こんぱい)だったが、この大会に絶対出たかったので(今年5月の)日本選手権でもう一回ギアを上げて(優勝できて)良かった。(今大会は)難しいゲームもあったし、難しいアイスでつらいこともたくさんあったが、カップにたどり着けて本当にうれしい」と胸を張った。
また、センターラインにかかったストーンは5投目までは動かせない「ノーティックゾーンルール」が新たに導入されて以降、チーム初となる世界連盟(WCF)主催大会を制したことを受け、「全チームが難しい問題にぶつかったり、挑戦したりうまくいかないことがあったが、その中でもチームとして我慢して、我慢して、我慢して優勝にたどり着いたのは一歩成長できたなと思って。すごくうれしい」と感慨を込めた。
藤沢は苦手意識を持っていたカナダや、ライバルの韓国を破っての制覇に「本当にこの優勝はすごく大きいし、うれしいです」と自信を深めた様子。また、2015年のパシフィック・アジア選手権で初優勝した時と同じ顔ぶれでの制覇に「またこのメンバーで表彰台の一番上に立てたことは本当にうれしい」と感慨を込めた。