スキージャンプのスーツ問題 あいまい検査 手探り続く選手 高梨「毎日測っても」小林陵「そこ測る?」

 今年2月の北京五輪で大きな問題となったノルディックスキー・ジャンプのスーツを巡る問題は、今季に入っても混乱が続いている。

 北京五輪では混合団体で日本の高梨沙羅(26)=クラレ=がスーツ規定違反で失格となり、ドイツ、オーストリア、ノルウェーの計5選手が失格に。太もも部分が大きいとされた高梨は全日本スキー連盟のヒアリングに通常とは違った検査方法だったことを訴えるなど、検査方法への疑問が世界中で波紋を呼んだ。

 ただ、今季も検査員によっての曖昧さは残っており、高梨は今季海外初戦となった10月のドイツでのGP大会で再びスーツ規定違反で失格に。7日に放送されたテレビインタビューで「絶対失格にならないように、毎日メジャーメントしてもらって、その試合当日も測ってもらって、『大丈夫だね』と言って行ったんですけど、ダメだったので」と、明かした。同大会では腕と膝が1センチ大きかったと判定されたという。「腕っていってもどこを測るのかによっても1センチぐらい変わっちゃうので、それをどこっていうのを明確に決めないと誤差が出ちゃうなと思います」と、訴えた。

 男子で北京五輪ノーマルヒル金メダルの小林陵侑(26)=土屋ホーム=も6日のW杯第2戦でスーツ規定違反に。5日の第1戦と同じスーツを着用したが、一部の通気量が足りず違反と判断された。通気量は少ない方が浮力を得やすいためルールで下限が定められているが、事前のチェックでは問題なかった。ただ、汗などで湿ると数値が下がる可能性があるという。

 8日に帰国した小林陵は「まあ…そこ測る?みたいなところ」と今回の検査のやり方を困惑した様子で振り返り、「シーズンの最初で厳しくやっていくかなという感じですね」と解釈。「(昨季から)測る人が変わって、(検査方法は)ずっとこれでいくと思うので。(シーズンの)最初で良かったと思います」と、語った。この第2戦では陵侑の兄潤志郎、五輪金メダリストのカミル・ストッフ(ポーランド)も同規定で失格となっている。

 結果を残すためには規定値ギリギリを攻めなければならないし烈な世界の中で、手探りの戦いが続いている。

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