阿部一二三、GS東京大会は欠場「中長期的な視野で回避」過密日程でコンディショニング優先 高藤も
全日本柔道連盟(全柔連)は18日、10月の世界選手権(タシケント)で優勝した男子60キロ級の高藤直寿(29)、66キロ級の阿部一二三(25)=ともにパーク24=が、12月のグランドスラム(GS)東京大会を欠場すると発表した。試合間隔が短く、今後の大会に向けたコンディショニングを優先するためという。ともにこの大会で優勝すれば来年5月の世界選手権代表に決まったが、持ち越しとなった。
阿部は世界選手権決勝でライバルの丸山城志郎(ミキハウス)に本戦時間内に投げて勝利し、優勝を飾って代表1番手としての立場を強固にした。GS東京欠場に際し、全柔連を通じてコメントを発表。「今の目標はパリオリンピックでの金メダルです。そのために必要なことに取り組む中、今回のグランドスラム東京については、これまでの結果と、中長期的な視野に立ったスケジュールを含めて鈴木監督・古根川コーチと検討した上で回避することにしました」と説明し、「東京での開催は5年ぶりとなるグランドスラム大会での試合をお見せできないこと、申し訳なく思っています。引き続き、自分自身の目標に向けて前進できるよう頑張りますので、応援のほどよろしくお願いいたします」とした。
また、高藤も「今回、世界選手権が従来よりも遅い10月の開催であり、グランドスラム東京までの間隔がこれまでよりも短いことはわかっていました。鈴木監督、古根川コーチと話し合いを重ね、自分自身の現在地と、目指す場所に向けた長期的なスケジュールを踏まえた結果、グランドスラム東京を回避するという結論に至りました」とコメントした。
日本男子の鈴木桂治監督もコメントを出し「東京オリンピックに続き、タシケントでも強い二人を見ることができました。今回の欠場は強化委員会の最終目標であるパリオリンピックでの金メダル獲得という大きな目標に向けての前向きな欠場となります」と理解を示した。
今年の世界王者はGS東京大会も優勝すれば来年の代表に内定。その後は12月のワールドマスターズが終わった時点で代表を選考するが、僅差と判断された場合は来年1月の代表決定戦。そこでも決まらない場合は、2月の欧州遠征も選考対象となる。来年の世界選手権が5月と異例の早期開催となるため、ハードなスケジュールが想定される。