JOC山下会長 五輪汚職で改めて陳謝「把握できなかった」“電通任せ”見直しも「大事なポイント」
日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(65)が18日、都内で定例会見を行った。東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件を受け、19年にJOC会長に就任してからは大会組織委の副会長も務めたが、「組織委の副会長という立場として申し上げると、理事会においてチェック機能が働かなかった。大いなる反省点で申し訳ない」と改めて謝罪。「元理事の利益相反に当たる活動は組織委として把握する体制が取られていなかった」と課題を挙げた。
ただ、当時の組織委における自身の立場については「正直、非常勤の役員で日常業務まで把握するのは限界がある。申し訳ない」と山下氏。この日は、今後の大規模大会での不正防止策を検討するプロジェクトチーム(PT)が初会合を開催したが、「二度とこうした事を起こさない仕組みを作るのが責任(の果たし方)だと思っている。(今後の大会運営は)理事会の役割とか各理事の責任を明確にしないといけない」と述べた。
また、汚職事件の背景にあった問題点として指摘される、広告代理店の電通が1社でマーケティングを担っていた構造について言及。「PTには当然、代理店制度のあり方や役割も含めてご検討いただくことになる。知見、経験を持った専門家の方が集まってやっていただくので、議論を待ちたい」と明言は避けつつ、「そこは1つ大事なポイントだと思っている」と今後は見直す考えを示唆した。
PTは弁護士、公認会計士、関係団体の幹部らで構成。2030札幌冬季大会招致などに向け、大規模なスポーツ大会の運営体制や情報公開のあり方を議論し、来年2月をめどに指針を公表する方針となっている。