宇野昌磨“ぶっつけ”GP連覇 逆転Vでファイナル進出「あれ以上はできなかった」

 「フィギュアスケート・NHK杯」(19日、真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)

 男子はSP2位の宇野昌磨(24)=トヨタ自動車=がフリー1位で逆転し、合計279・76点で2連覇。SP1位の山本草太(22)=中京大=は2位。女子の坂本花織(22)=シスメックス=は2位で、宇野、山本とともにファイナル進出が決定した。

 何とかやり抜いた。中盤の4回転フリップは2回転になったが、課題としていた4回転トーループを2本決めるなど、勝負強さを発揮した宇野。2年連続3度目の優勝、GP2連勝でファイナル進出を決めた。

 大きな賭けに出た。試合直前の6分間練習で4回転トーループを踏み切った際に「絶対無理だ」と、靴に異変を察知。試合直前には異例ながら、自身の滑走順までの間にエッジの位置を微調整した。ほんの1ミリの差で感覚は大きく変わるというが、“ぶっつけ”状態で試合へ。「あれ以上はできなかった」という演技を見せ、逆転で頂点をつかんだ。

 いら立ちの前日練習から始まり、SPでは「プラスの気持ち」が生まれるなど、精神面の起伏が大きかった今大会。ただ、このフリーは直前のアクシデントもあり「いい意味でも悪い意味でも気持ちが散っていた」。考えすぎず、目の前のジャンプを無心で跳んだことが功を奏した。

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