御嶽海 大関への復帰消滅 翠富士に寄り切られ… 八角理事長「集中力がない」
「大相撲九州場所・10日目」(22日、福岡国際センター)
関脇御嶽海は翠富士に寄り切られて6敗目を喫し、陥落から1場所での大関復帰の可能性がなくなった。3度の優勝経験を誇る実力者が、出直しを図ることになった。関脇豊昇龍はかど番の大関正代を寄り倒して1敗をキープ。同じく1敗を守った平幕王鵬とトップを並走する。勝ち越しを決めた高安と錦富士の平幕2人が2敗で追う。
最後は力尽きるように俵を割った。視線を落とした御嶽海に哀愁が漂う。悪夢の5連敗で2桁勝利の可能性が消滅。1場所での大関復帰の道が絶たれた。
翠富士に対し、もろ手で突いて立ったが押し込めない。もろ差しを許すと、抱え込んだものの反撃には出られず。相手のこん身の寄りをこらえることはできなかった。
今場所前は稽古量を増やし「本能的にです。先場所、先々場所より今場所の方が全然(多い)」と手応えを話していた。夏場所で痛めて大関陥落の要因となった右肩の状態も良化。初日から4勝1敗と好スタートを切ったが、急失速した。
八角理事長(元横綱北勝海)は「集中力がない」と指摘。「もう一度、やり直してほしい。残念だけど勝負の世界は仕方ない。頑張るしかない」とエールを送り「気持ちですね。稽古する気持ちが大事」と必要なものを挙げた。
この日もリモート取材には対応しなかった御嶽海。優勝した初場所後の昇進から1年足らず。在位4場所のままなら、昭和以降2位タイの短期となる。昭和以降の36度の大関陥落で、2場所以上かけて復帰できたのは5度。険しい道が待つ。自分を信じて奮起するしかない。