初優勝の阿炎は涙 不祥事で一時は引退届「迷惑しかかけてこなかった」と師匠を思う

 涙ぐむ阿炎(撮影・佐藤厚)
 優勝し、賜杯を八角理事長(左)から受け取る阿炎
巴戦となった優勝決定戦で高安、貴景勝(左)に連勝し初優勝を決めた阿炎(撮影・佐藤厚)
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 「大相撲九州場所・千秋楽」(27日、福岡国際センター)

 前頭九枚目阿炎(錣山)が悲願の初優勝。28年ぶり3力士での巴戦となった優勝決定戦を制した。

 千秋楽では単独2敗だった高安に勝ち、優勝決定戦に持ち込んだ。巴戦では最初の取り組みで高安に勝ち、大関貴景勝(常盤山)も寄り切り連勝した。巴戦は94年春場所(曙、貴ノ浪、貴闘力)以来、28年ぶりだった。

 阿炎は20年には新型コロナウイルス対策のガイドライン違反で一度は引退届けを提出も受理されず。3場所出場停止処分を経て、頂点に立った。

 優勝インタビューでは優勝の瞬間の心境を問われ、「なんとも言えないような感じでした」と語り、入院中の錣山親方には「まだ病院にいられる、メールでお陰様で、と言いたい」とうなずいた。

 「苦しいときも味方でいてくれた師匠」と問われると、目から涙がこぼれ「迷惑しかかけてこなかった、少しでも喜んでくれたらいいなと思います」と声を震わせた。

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