「ボクシング・全日本選手権」（２７日、墨田区総合体育館）

　各階級の決勝が行われた。女子フェザー級は東京五輪金メダルの入江聖奈（２２）＝日体大＝が吉沢颯希（日体大）に５－０で判定勝ちして２年連続３度目の優勝を果たした。今大会を最後に引退するが、有終の美を飾った。同ライトフライ級は、東京五輪フライ級銅メダルの並木月海（自衛隊）が制覇。東京五輪男子ミドル級代表の森脇唯人（自衛隊）は、パリ五輪実施階級のライトヘビー級に上げ、５大会連続制覇を果たした。

　入江が日本一で１４年のボクサー人生を締めくくった。後輩との同門対決で序盤は距離を取りながら、２回に連打をまとめて２度ダウンを奪取。「最後は打ち合いたい」と３回は自ら足を止めて拳を交え、もう一度ダウンを奪い圧倒。家族や観客に見守られ「幸せな９分間だった」とかみしめ、金メダルまで手にした競技生活を「出来すぎ。漫画みたい」と感慨深げに笑った。

　来春から東京農工大大学院に進学し、カエル研究の道に進む。「一生分のスポットライトを浴びたので、次はカエルにスポットライトが当たるように精進したい」とユーモア交じりに宣言。「（タレントの）さかなクンさんはすごい。ああいう発信力がカエル界でも大事。（金メダリストの知名度を）強みとして活用したい」と抱負を語り、リングを去った。