不祥事のバド協会、副会長の福田達夫議員も引責辞任「混乱招いた」 新会長は68歳中村新一氏「改革を」

 日本バドミントン協会の新会長に選出され、取材に応じる中村新一氏(右)。左は新専務理事の毛利達彦氏
 日本バドミントン協会の新会長に選出され、取材に応じる中村新一氏(右)。質疑応答で答えに窮し、資料に視線を落とす場面も
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 日本バドミントン協会は30日、都内で理事会を開催し、新会長として現理事の中村新一氏(68)の選出を決めた。元職員による公金横領と、国庫補助事業の不正申請事案を隠ぺいしていた一連の問題を受け、関根義雄会長(77)、銭谷欽治専務理事(69)がこの日で退任。また、衆院議員の福田達夫副会長(55)も本人の申し出により辞任し、理事職からも退く。新役員は12月1日付で就任し、来年6月の役員改選までが任期となる。

 一連の不祥事を受け、現役員の会長、専務理事に続き、副会長も一掃となった。福田氏は今回の問題で処分を受けていないものの、協会関係者によればこの日の理事会までに協会と意見交換をした上で「混乱を招いたこと(の責任)と、世の中に対して協会の姿勢を見せる」と引責辞任の意向を固めていたという。また、山田順一郎副会長も理事会当日に辞意を表明。理事にはとどまるものの、会長候補から撤退した。

 新役員は理事会の互選で決まったが、一連の問題で厳重注意、注意処分を受けた理事は候補から除外。また、議決権を持つ関根会長、福田副会長、銭谷専務理事は欠席した。

 推薦を受け、満場一致で新会長に決まった中村氏は「自ら身を切る改革を行い、世の中の信頼回復を果たしていきたい」と所信表明。ただ、一連の問題が表面化した後、旧役員の進退問題にはならずに厳重注意、注意にとどめる処分案を理事会として追認したことについては「処分を受けた理事も真摯(しんし)に受け止め、今後任された仕事で結果を出していくと決意を新たにしている」と述べ、「(問題を公表しない決定は)結果的に見れば隠ぺいという形だった。当時は東京五輪開催前で諸事情で当時の役員がそのような行為を取ってしまったが、悪いことは悪い、隠ぺいは隠ぺいだという認識を今は持っている」と反省を口にした。

 新執行部としては、来年6月の役員改選までの7カ月間でスポーツ団体ガバナンスコードに即した体制を整備する方針で、外部理事を全体の25%、女性理事を40%に増やすことを目標に掲げ「外部実力者を会長とすることも含めて選定する」と表明。また、定款の見直しなどで協会の機能不全を改善する方針を示し「大きなハードルを超えていかないといけない。過去にとらわれず新しい時代を築く。世の中から信頼と評価を得るためには大改革が必要」と力を込めた。

 副会長には朝倉康善氏(63)、専務理事には毛利達彦氏(63)が就任する。

 ◆日本バドミントン協会不祥事の経過

 ▽22年3月 18年から元職員による約680万円の公金私的流用があったことなどを公表。協会は19年春頃には把握していたが、東京五輪などが控えていたことを理由に一部の理事が損害を穴埋めし、公表していなかった。JOCなどが調査不十分として第三者委による再調査を要請。

 ▽同9月 第三者委が協会幹部が隠ぺいを主導したと認定。報告書をJOCとスポーツ庁に提出も、内容は公表せず。

 ▽同10月 JOCが協会に会見による説明を要請。スポーツ庁がJOCなど5者による円卓会議を開催。23年度強化費を20%削減することが決定。

 ▽同21日 第三者委の報告書を一部公表。銭谷専務理事ら3人の厳重注意処分、関根会長ら8人への注意処分を公表。ただ、辞任は否定。

 ▽同27日 関根会長、銭谷専務理事が一転、一連の不祥事の責任を取り11月30日付で辞任することを発表した。

 ▽11月3日 評議員会が行われたが、理事総辞職は見送られた。

 ▽同30日 関根会長、福田副会長、山田副会長、銭谷専務理事が辞任。

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