北口榛花がスピーチで涙「孤独を感じることもたくさんある」 トップ選手の苦悩を吐露

 涙をぬぐいながらスピーチする北口榛花
 笑顔で表彰を受ける北口榛花
 表彰を受けた(左から)馬場咲希、国枝慎吾、北口榛花
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 陸上女子やり投げで今年の世界選手権銅メダリストの北口榛花(24)=JAL=が5日、都内で「スポーツニッポンフォーラム」の表彰式に出席した。壇上スピーチでは涙ながらに心境を語った。

 北口がスピーチの中盤で突如涙した。「今まで『フィールド種目はどうせ見られていない』という気持ちで試合をしていたこともあった。やり投げが一番見てもらえる種目になれるように…」。言葉につまりながら、「自分だけではなく、やり投げをやっている全ての選手と一緒に頑張りたい」と声を絞り出した。

 表彰式後、涙のスピーチについて、「これまでやってきたこと、今後へのもどかしさも含めて感情がぐちゃぐちゃになって取り乱してしまいました」と苦笑いした。トップアスリートとしての葛藤があるといい、「1人だけ頑張ってもそう簡単に(競技を取り巻く)空気感は変わらない。『日本選手全体で強くなりたい』と言うようにしているけど、なかなか届かない。慣れ合うのではなく高め合うために『みんなで』と言っている。なかなか人がついてこないことにつらいなあと孤独を感じることもたくさんある」と、複雑な心境を吐露した。

 ただ、前向きな考えもある。今年の漢字には「突破」の「破」を選んだ。世界選手権では銅メダルを獲得し、「自分の枠も日本人の枠も抜け出せた。一皮むけて来年も戻ることなく突き進みたい」と、切り替えた。

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