30年札幌五輪 招致イベント休止も撤退は否定「不信感払拭が先決」 汚職で民意悪化憂慮

 札幌市の秋元克広市長と日本オリンピック委員会(JOC)は20日、2030年冬季五輪・パラリンピックの今後の招致方針に関して都内で合同記者会見を開いた。昨夏の東京大会を巡る汚職などによる機運の低下や、IOCによる開催地決定の延期を踏まえ、積極的な機運醸成イベント活動などの休止を表明。ただ、大会招致からの撤退は否定し、秋元市長は「なりふり構わず闇雲に突っ走るのではなく(大会への)不信感を払拭するのが先決」と述べた。

 昨夏の東京大会を巡り、組織委員会元理事による汚職や、テスト大会を巡る談合疑惑などにより、五輪・パラリンピックそのものに対するイメージの悪化が招致活動見直しの引き金となった。今後、広告代理店任せだった大会運営体制を見直した上で、札幌市として改めて開催賛否についての民意を問い直す意向を示した。

 秋元市長は「あくまでも招致活動を断念したわけではない」と強調。「前に進んでいくためには東京大会に起因する事柄について、状況を新たなものに変えていくことをお示していかないと、大会の意義を伝えるだけでは不十分」と現状認識を示し、「東京大会で起きたことについて(不信感を)払しょくしなければ、なかなか(市民の)理解が広まっていかない。いかに従前(の五輪)と違うやり方で進む大会だと伝えていけるか、その上で、招致について(市民が)どうお考えかを確認し、その結果、民意をしっかり受け止めて勘案していく必要がある」と語った。

 JOCは山下泰裕会長が体調不良で会見を欠席し、代理で出席した籾井圭子常務理事が「招致活動を辞めるわけではない」と断言。「より多くの方にご理解ご賛同をいただくことが招致につながっていく。民意を最大限踏まえてしっかり考慮する必要がある」と語った。

 今後、スポーツ庁を中心とした有識者による適正な大会運営体制の検討チームが来年2月報告予定の指針を踏まえ、新たな運営方針を示した上で改めて民意を問う方針を示した。

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