藤波朱理がV王手 電光石火の完勝劇で無敗記録更新 パリ五輪へ照準「けがはもう完治」

 「レスリング・全日本選手権」(24日、駒沢体育館)

 パリ五輪代表1次選考会として行われた。女子53キロ級は21年世界女王の藤波朱理(19)=日体大=が2試合続けてテクニカルフォール勝ちし、25日の決勝に進出。東京五輪金メダルの志土地(旧姓向田)真優(ジェイテクト)は準決勝で元世界女王の奥野春菜(自衛隊)に敗れた。

 故障明けのニューヒロインが電光石火の完勝劇で周囲の不安を一掃した。藤波は初戦、インターハイ覇者に86秒で圧勝すると、準決勝もわずか28秒でテクニカルフォール勝ちし王手。自身の公式戦連勝記録も105に伸ばし「4カ月ぶりの試合だったが、感覚をつかめた」とうなずいた。

 9月に左足甲のじん帯を損傷し、2連覇が懸かる世界選手権の欠場を余儀なくされた。さらに10月には左膝の蜂窩(ほうか)織炎でU23世界選手権を見送った。相次ぐけがに見舞われたが、あくまで照準は五輪切符。選考開始の今大会に照準を合わせてきただけに「けがはもう完治し、練習はできていた」と胸を張った。競技人生で初めて1カ月マットから離れたが、腰を据えて自身のレスリングを見直し「けがをポジティブに捉えて取り組んだ。(決勝で)勝ってこそいい経験だったと言えるので絶対に勝ちたい」と力を込めた。

 反対ブロックでは、決勝で初顔合わせが見込まれていた五輪女王の志土地が敗れる波乱もあった。吉田沙保里から続く黄金階級のハイレベルな争いを目の当たりにしつつも、パリ五輪の星は「誰が上がってきてもやることは一緒。自分のレスリングをやって勝ちたい」と迷いはない。運命のクリスマス決戦に向けてボルテージを高めた。

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