まさか敗退の五輪女王・志土地真優 3位死守で涙「1回の負けで腐らない」来年雪辱へ

 フォール勝ちで3位を決めた志土地真優(撮影・高石航平)
 涙を夫の志土地コーチ(左)に拭いてもらう志土地真優(撮影・高石航平)
 フォール勝ちで3位となり、ガッツポーズする志土地真優(撮影・高石航平)
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 「レスリング・全日本選手権」(25日、駒沢体育館)

 24年パリ五輪日本代表の1次選考会として行われた。女子53キロ級は3位決定戦が行われ、前日準決勝でまさかの敗退を喫した東京五輪金メダルの志土地真優(旧姓・向田、25)=ジェイテクト=が、大野真子(日体大)にフォール勝ちして表彰台を死守した。

 ショックを乗り越えて笑顔で大会を終えた。志土地は序盤攻めあぐねて接戦となったが、第2ピリオドに相手の体勢が崩れた瞬間を見逃さず、豪快に倒して4点のビッグポイントを追加。さらに、そのままグラウンドで抑え込みフォールを決めた。勝ち名乗りを受けてガッツポーズし、夫の志土地翔大コーチと笑顔で握手。その後、目に大粒の涙があふれた。「初戦から思うように体が動かなかった。準決勝で負けてしまったが、気持ちを切り替えてしっかり勝ち切って終われたのは良かった」。

 東京五輪で53キロ級を制した後、非五輪階級の55キロ級で復帰し、今年9月の世界選手権を制覇。パリ五輪代表争いが始まる今大会は再び53キロ級で戦ったが、準決勝で元世界女王の奥野春菜(自衛隊)に屈した。「動きがすごく硬くて、練習でやってきたことが出せずに空回りした。ポイントを取られて焦ってしまった」。それでも3位決定戦に向けては「ここで出て勝つことが絶対に次につながる」と自分に言い聞かせて臨んだ。

 金メダリストとして周囲から包囲網を張られる存在となったが、「東京五輪はもう過去のこと」とキッパリ。「自分は(これまでも)たくさん負けを経験してきて東京五輪で金メダルを取れた。1回の負けで腐るわけではない」と自負をにじませ、「今回の悔しさをバネに6月に向けて頑張りたい」と雪辱を誓った。

 また、53キロ級の21年世界女王で公式戦105連勝を続けている藤波朱理(19)=日体大=については「本当に強い選手。(手足の)リーチも長くてスピードも速い、世界トップの選手」と志土地。注目の初対戦は持ち越しとなったが、「パリ五輪に向けては倒さないといけない相手。53キロ級は層が厚いので、しっかり勝ちたい」と闘志を燃やした。

 ◆レスリングのパリ五輪への道 今大会の覇者は、来年6月の明治杯全日本選抜選手権も優勝すれば同9月の世界選手権代表となり、勝者が異なる場合はプレーオフを実施。来年の世界選手権で3位以内に入れば、パリ五輪代表に決まる。

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