桃田が完勝「弱気にならず踏み込めた」
「バドミントン・全日本総合選手権」(26日、武蔵野の森総合スポーツプラザ)
各種目の1回戦が行われ、男子シングルスでは昨夏の東京五輪代表の桃田賢斗(28)=NTT東日本=が初戦を突破した。日本ランキング1位の奈良岡功大(IMG)は試合中に棄権し敗退。女子シングルスは世界選手権2連覇の山口茜(再春館製薬所)、同ダブルスは福島由紀、広田彩花組(丸杉)、永原和可那、松本麻祐組(北都銀行)がそれぞれ2回戦に駒を進めた。
桃田は冷静な試合運びで完勝した。「最初打つときに手が震えた」と国内独特の緊張感は感じたが、「しっかり足を動かして、弱気にならずに踏み込めた」とうなずいた。
今季は8月の世界選手権で2回戦敗退、9月のジャパンオープンでも初戦で敗れ、東京五輪に続き、不振から抜け出せない日々が続いていた。「この調子で海外試合に出場しても負けの繰り返しになる」と、その後の海外ツアー大会を欠場。「自信を持ってプレーできるように」と国内での強化を優先した。
「とにかく1球でも相手コートに返す貪欲さを忘れかけていた」と守備、攻撃、走力の全てを見直した。特に注力したのはシャトルを打ち返し続けるノック練習。約1時間におよび「高校生の時ぐらいの練習。まじで倒れるかと思った」と話すほど追い込んだ。
前回大会は欠場しており、2年ぶり5度目の優勝を狙う。2度の世界王者に輝いた日本の絶対的エース。来年5月から始まる24年パリ五輪の選考レースに向けて、日本一から復活の足掛かりをつかむ。