桃田賢斗、逆転勝ちで2大会ぶりVへ王手 前回王者・田中下して「攻めて我慢していこうと」
「バドミントン・全日本総合選手権」(29日、調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ)
男子シングルス準決勝が行われ、昨夏の東京五輪代表の桃田賢斗(NTT東日本)が、前回大会王者で後輩の田中湧士(NTT東日本)を2-1(17-21、21-16、21-17)で下し、2大会ぶり5度目の優勝に王手をかけた。
第2ゲーム中盤から打開した。桃田は序盤から相手に主導権を握られて防戦一方。第1ゲームを献上し、第2ゲーム中盤まで流れをつかめないでいた。「このまま守っていたら負ける。出し切ろう」。気持ちを切り替え積極的にネット前に踏み込み、攻撃的なスタイルを展開。逆転勝ちを収め「すごいしんどかった。がむしゃらにでもいいから動いて、攻めて我慢していこうと思ってプレーしたのがよかった」とうなずいた。
田中は前回王者で桃田も「(スピードは)世界トップレベル」と評価するほどのスマッシュを持つ選手。「日本人にはあのタイプはいない。ぶち抜ける力がある」と話す相手から勝利を収め、世界と戦う上での自信も深めている。
30日の決勝に向けては、ジャパンオープンを制した同級生の西本拳太(ジェイテクト)との対戦を熱望。「たぶん上がってきてくれる。ラスト1試合、自分のすべてを出し切れるように。強い気持ちでプレーしたい」。18、19年世界選手権を連覇し、同年には国際大会11勝と無類の強さを誇ったエース。5度目の日本一で、復活への足がかりをつかむ。