桃田賢斗が復権V「以前の柔らかい守備はもうできない」→「もっともっと強い桃田を」

 「バドミントン・全日本総合選手権」(30日、武蔵野の森総合スポーツプラザ)

 各種目の決勝が行われ、昨夏の東京五輪代表の桃田賢斗(28)=NTT東日本=が日本代表の西本拳太(ジェイテクト)を下し、2大会ぶり5度目の優勝を飾った。同女子では世界選手権2連覇の山口茜(再春館製薬所)が4大会ぶり4度目のV。男子ダブルスでは21年世界選手権王者の保木卓朗、小林優吾組(トナミ運輸)、同女子では福島由紀、広田彩花組(丸杉)、同混合では金子祐樹、松友美佐紀組(BIPROGY)がそれぞれ頂点に立った。

 大の字に倒れ込み左拳を高く掲げた。桃田は「気持ちが強い方が勝つ」と積極的に攻撃を仕掛け、今季国際大会初Vを果たした同級生の西本を完封した。東京五輪から不振が続いているだけに「苦しい中で考え抜いた優勝。今までと比べものにならないくらいうれしい」と笑顔。「ネットで『桃田の時代は終わった』と書かれるけど終わりたくない」と復活を誓った。

 初戦敗退となった9月のジャパンオープン以降、世界ツアー大会を欠場して国内での強化を優先。20年に巻き込まれた交通事故の影響もあり「以前の柔らかい守備はもうできない」と基礎練習から徹底的に見直した。「決勝の後半に動きが速くなっている実感があった」と手応えを感じている。

 19年に国際大会11勝と無類の強さを誇ったエース。来年5月から始まる24年パリ五輪選考レースに向けて「もっともっと強い桃田賢斗を見せていけたら」。5度目の日本一をきっかけに輝きを取り戻していく。

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