【東田哲也の観戦記】前半ロスタイムに追いついた報徳学園にすごみ感じた
「全国高校ラグビー・準々決勝、報徳学園31-21東海大大阪仰星」(3日、花園ラグビー場)
準々決勝4試合が行われ、史上4校目の高校3冠を目指す報徳学園(兵庫)が2連覇を狙った東海大大阪仰星(大阪第3)に31-21で逆転勝ちし、1997年度以来25大会ぶり、同校最高に並ぶ2度目の準決勝に進出した。後半、WTB海老沢琥珀(こはく)=3年=が自陣から95メートル独走トライでトドメを刺した。抽選の結果、5日の準決勝は天理-報徳学園、京都成章-東福岡に決まった。
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展開力の報徳学園とFW力の東海大大阪仰星の対戦は、両校の強みを存分に生かした素晴らしい試合でした。
花園で場慣れしている東海大大阪仰星が、相手を上回る可能性も考えていました。実際前半は仰星ペースで進んだのですが、報徳学園が同点に追いついて折り返したことが鍵になりました。
あそこで取り切れていなければ、後半は違う展開になったでしょう。報徳学園がその流れを見越して、前半のロスタイムギリギリにトライを狙い、取り切ったことにすごみを感じました。
ここからは、花園で優勝経験があるチームと、ないチームの経験値が大きく分かれるところです。しかし、この日の報徳学園の落ち着きと穴がない組織力を見れば、その心配はあまり感じません。
準決勝ではディフェンスが素晴らしい天理と対戦します。また、総合力が高い東福岡と、状況判断にたけた展開力の京都成章の対戦も楽しみです。(六甲クラブ総監督、元日本代表WTB)