V逸の報徳学園 植浦主将「悔しいけど東福岡さんに感謝」SO伊藤「日本を背負える選手に」

 記念撮影する東福岡、報徳学園両選手(撮影・石井剣太郎)
 試合後、撮影に応じる報徳学園の選手(撮影・石井剣太郎)
 前半、1トライを返し、次のプレーに備える報徳学園フィフティーン(撮影・北村雅宏)
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 「全国高校ラグビー・決勝、東福岡41-10報徳学園」(7日、花園ラグビー場)

 報徳学園(兵庫)の史上4校目の高校3冠&初優勝の夢は散った。後半、何度もピッチで「報徳エナジー!!」とフィフティーンは絶叫。今大会からチームを鼓舞するため取り入れた“闘魂注入ワード”も悲願にあと一歩届かなかった。

 フランカー植浦慎仁志主将(3年)は「気持ちはあったけどフィジカルの部分で負けてしまった。花園は楽しい場所でした。やりたいことが前面に出せて、僕らは負けたので、次の学年に優勝してほしい」と後輩に託した。

 高校日本代表候補8人を抱える「史上最強の報徳」。植浦主将自身は代表候補ではなく、主将の大役に悩むこともあった。重責を果たし終え、「101名の部員を背負って僕らはやっているので、最後までやりきらないとダメだなと思った。僕は日本代表FWでないし、すごいプレーできないし、がむしゃらさを出してチームを引っ張ろうと思っていた。頭をぶつける、痛いプレーをやろうと思っていた」と死力で戦い抜き、声は涙でふるえた。

 東福岡を目標に鍛えてきた。春の選抜では決勝で対戦予定も東福岡の対戦相手校に新型コロナ陽性者が出て不戦勝で初優勝。その決勝の代替となる練習試合で負け、フィジカルの重要さを思い知らされた。

 「打倒・東(福岡)ということをずっと言ってきた。悔しいけど感謝でいっぱい。やりきれた。1年間、僕らは(東福岡を)意識してきて名前も覚えるくらい意識してきた」と、東福岡の存在があり、強くなった。

 101人の仲間の支えにも感謝。「僕がキャプテンでいいのか分からない中、キャプテンと呼んでくれた。とても心強かった。僕についてきてくれてありがとう」と、目を真っ赤にした。

 今大会、抜群のセンスを発揮した司令塔のSO伊藤利江人(3年)は「僕たちは個性が強かった。慎仁(植浦)は最高のキャプテン」と褒めたたえた。

 最後は東福岡の圧力に攻撃が止められた。それでも報徳学園の伝統となる展開ラグビーは存分に見せた。伊藤は「僕たちの代は縦も強くて外に振ったら楽しませるラグビー。歴代の報徳としては展開ラグビーで僕たちは外に振りなら縦も必要と思ってやってきた。でも最後はうまくディフェンスされて出せなかった」と悔しがった。

 将来は日本代表が目標。「未熟なところをなくして将来、日本を背負えるような選手になりたい。もっと頼れる選手になりたい。自分の弱いところをストイックに直せるようにしたい」と、この悔しさが成長の糧になる。

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