就任初年度Vの帝京大・相馬監督 2人の名将から学んだものとは
「ラグビー・全国大学選手権・決勝、帝京大73-20早大」(8日、国立競技場)
帝京大(関東対抗戦1位)が早大(同3位)に73-20で圧勝し、2大会連続11度目の優勝を決めた。11トライを奪い、ともに決勝史上最多の73得点、53点差で大勝。元日本代表の相馬朋和監督(45)にとっては、岩出雅之前監督(64、現帝京大スポーツ局局長)から指揮官を引き継いだ初年度での頂点となった。
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相馬監督が就任初年度で大学日本一のチームを作り上げた。2人の名将の下で経験を積んできたことが生き続けている。
三洋電機(現埼玉パナソニック)での現役引退後、14年から同チームでスクラムコーチなどを務めた。そこでは元ニュージーランド代表で、オーストラリア代表監督も歴任したロビー・ディーンズ・ヘッドコーチ(HC)を間近で見てきた。
世の中のデジタル化が進む状況で、ラグビーでも相手のデータが取りやすくなった。それでも頼りすぎることはない。「主観をなくしたらコーチである必要はない」。ディーンズHCの言葉を今でも思い出し、自らの「主観」を大事にして学生に接している。
「丁寧に向き合いながら人として成長を促していく」と、岩出監督からは学生との向き合い方を学んだ。その上で「岩出先生は常に勉強している。その姿が私自身足りない。学び続けて成長し続けなければいけない」と指導する立場でも、学生とともに向上を求める姿勢が強さを生み出した。(デイリースポーツ・知手健人)