ワリエワのドーピング問題は「無罪」 露機関が「過失なし」判断 WADAは上訴へ

 ロシア・反ドーピング機関(RUSADA)は13日、フィギュアスケート女子で、世界最高得点保持者のカミラ・ワリエワ(16)のドーピング問題について、「過失はない」と認定し、陽性が出た21年12月のロシア選手権の結果のみ失格とし、新たな制裁を科さない判断を下したことを発表した。ロシアメディアは「RUSADAはワリエワの罪を認めなかった」などと報じ、「無罪判決」と受け止めた。

 ただ、世界反ドーピング機関(WADA)はすでにこのドーピング問題についてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴しており、ワリエワに4年間の資格停止処分を求めている。WADAはRUSADAの判断を受けて声明を発表。「過失なし」の判断に懸念を表明し、CASへのさらなる上訴を示唆した。RUSADAに対して、決定に至った正式な書類を求めている。

 ワリエワは今年2月の北京五輪期間中に昨年12月25日に採取された検体から禁止薬物の「トリメタジジン」が検出されたことが判明し、大きな騒動となった。同選手は判明前に団体戦での金メダルに貢献。直後に判明したため、表彰式が中止となった。その後、一時的な出場停止処分が下されたが、スポーツ仲裁裁判所が16歳未満の「保護対象者」であることから個人戦出場が認められ、大会後半の女子シングルに出場。金メダル最有力候補とみられていたが、フリーでミスを連発し、暫定4位となった。

 ワリエワが失格となれば、北京五輪団体戦の金メダルははく奪され、2位だった米国が金メダル、3位だった日本が銀メダル、4位だったカナダが銅メダルにそれぞれ繰り上がる見込みだが、不透明な状況となっている。

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