小林陵侑 今季初優勝 追い風なんの圧巻130メートルで逆転「驚いている」
「ノルディックスキー・ジャンプ男子W杯・個人第14戦」(20日、大倉山ジャンプ競技場)
小林陵侑(26)=土屋ホーム=が合計271・5点で今季初勝利を挙げた。通算28勝目。1回目に135メートルで2位につけ、2回目に130メートルを飛んで逆転した。小林陵が国内開催のW杯で勝ったのは初めて。繰り上がりで出場した50歳の葛西紀明(土屋ホーム)は予選51位で落選した。
今季不振に苦しんでいた小林陵が地元で復活した。130メートル以上の飛躍をそろえ、表彰台の頂点に。昨年11月の開幕戦で7位になった以外は1桁順位がなかっただけに「自分でも驚いている。優勝という形で表彰台に上れてうれしい」と喜んだ。
2位で迎えた2回目が圧巻だった。不利な追い風をものともせず、スムーズな飛び出しから安定した空中姿勢でぐんと伸びた。直後に飛んだ1回目首位のクバツキ(ポーランド)が失速し、順位が入れ替わった。
6日の第12戦後に遠征を切り上げて帰国。大倉山で飛躍練習を重ねて復調を図った。この試合から新調したスーツは、カッティングを大幅に変えて揚力を受けやすくなっているという。「久しぶりに2回、いいジャンプができた」。エースの歯車がかみ合いだした。