50歳の葛西紀明 3季ぶりW杯も2戦連続で本戦出場逃す「せっかくのチャンスも悔しい」 55位で50位以内届かず

 「ノルディックスキー・ジャンプ男子W杯・個人第15戦」(21日、大倉山ジャンプ競技場)

 3季ぶりのW杯参戦となった史上最多五輪8大会出場の“レジェンド”葛西紀明(50)=土屋ホーム=が予選113・5メートル、83・1点の55位に終わり、2戦連続で本戦出場を逃した。ジャンプ界最多となるW杯本戦出場記録を570に伸ばすことはできなかった。前日今季W杯初優勝を飾った北京五輪金メダリストの小林陵侑(26)=土屋ホーム=は136・5メートルを飛んで、130・5点の9位で本戦に進んだ。

 強い向かい風の中、ゼッケン1番をつけ、1番最初に飛んだ葛西だったが、思うように飛距離を伸ばしきれず113・5メートルにとどまった。上位陣が140メートル級のジャンプを飛ぶ中で、前日よりもボーダーが上がり、届かなかった。

 予選後は「せっかくのチャンスだったんですけど、なかなか予選通らず、風の運も悪く、うまくいかなくて悔しい」と語った。

 ただ、50歳葛西のW杯参戦は世界で話題となっており「今まで戦ってきた選手も若い選手もいますけど、(一緒に飛べるのが)うれしいと言ってくれたのはめちゃくちゃうれしい。自分も早く調子を上げて、(今後も)W杯の試合に出たい」と語り、前日の愛弟子・小林陵の優勝に「練習や合宿でもいいジャンプを飛んでいたが、まさか札幌で勝ってくれるとは。昨日終わって、僕の家で軽く食事したんですけど、だいぶ調子が上がって、まだまだいけるって言っていた。自分もついていかなきゃ、と気持ちもだいぶ高まった」と、刺激を受けた様子だった。

 19日に出場予定だった渡部陸太が体調を崩し、代表で次点だった葛西が繰り上がって出場。20日の第14戦で20年の札幌大会以来3年ぶりにW杯に出場。予選108メートルの51位で、本戦に進める50位以内をわずかな差で逃していた。

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