国枝引退 車いすテニスのレジェンド 四大大会通算28度V「最高のテニス人生」
車いすテニス男子の第一人者で、シングルスで東京パラリンピックの金メダル、四大大会で通算28度の優勝など数々の実績を誇るレジェンド・国枝慎吾(38)=ユニクロ=が22日、同日限りでの現役引退を表明した。自身のツイッターで「もう十分やりきったという感情が高まり、決意した次第です。最高の車いすテニス人生でした」とつづった。2月7日に記者会見を開く。
日本が誇るレジェンドが現役生活に別れを告げた。国枝は引退について「昨年10回目の年間王者になった事で、もう十分やりきったという感情が高まり、決意した次第です」と説明。「最高の車いすテニス人生でした」と充実感をにじませた。
2001年にツアーデビュー。08年北京パラリンピックのシングルスで初の金メダルを獲得し、12年ロンドン大会で連覇を達成した。5度目の出場となった21年の東京大会では日本の主将を務め、選手団をけん引。自身もシングルスで3度目の頂点に輝き、開催国の顔として大会を盛り上げた。
09年にプロ転向を宣言。スポンサーを募って競技に専念する障害者選手のモデルケースを確立し、パラスポーツの地位向上をリードしてきた。昨年のウィンブルドン選手権を制し、四大大会全制覇とパラ金メダルを合わせた「生涯ゴールデンスラム」を達成。国枝は「念願のウィンブルドンタイトルを獲得してからは、ツアーで戦うエネルギーが残りわずかであることを感じる日々でした」と記した。
最新の世界ランクは1位。「2006年に初めて世界一位になってから17年。最後まで世界一位のままでの引退は、カッコつけすぎと言われるかもしれませんが、許してください(笑)」とつづった。世界最強の称号を手に、競技生活にピリオドを打った。
◆国枝 慎吾(くにえだ・しんご)1984年2月21日生まれ。千葉県出身。9歳で脊髄腫瘍のために下半身が不自由になり、母親の勧めで小学6年からテニスを始めた。09年にプロ転向。パラリンピックのシングルスは08年北京、12年ロンドン、21年東京の3大会で金メダルを獲得。四大大会シングルスは通算28度優勝。国際テニス連盟(ITF)の16日付世界ランキングで1位。173センチ、65キロ。右利き。