１５日のヒューストン・マラソンを日本女子歴代２位の２時間１９分２４秒で制した新谷仁美（３４）＝積水化学＝が２３日、都内で記者会見を行った。２４年パリ五輪について「今の時点で私の気持ちの中にはありません」と、改めて出場する意向がないことを明言した。

　“新谷節”がさく裂した。異例とも言える発言だが「私の中で五輪に出ること、日本代表になることが全てじゃない」と意思は全くブレていなかった。１万メートルに出場した東京五輪の経験から「とても言いにくい言葉ではあるけど、今まで五輪が正義だと思われたと思うけど、『今どれだけ五輪が国民の人たちに求められているのかな』と選手として感じたのが非常に大きかった」と疑問を持ったことがきっかけだった。

　今後は春から夏にかけて５０００メートルと５～１０キロのロードレースを予定。１万メートルとハーフマラソンの日本記録を保持しており、次は５０００メートルでの日本記録、そして９月のベルリン・マラソンで日本記録に挑戦する。

　その後は駅伝シーズンに入る予定。「（日本記録までの）１２秒はカバーできる」と自信をのぞかせた。