大相撲で歴代最多４５度の優勝を誇り、２０２１年秋場所後に現役を引退した元横綱白鵬の宮城野親方（３７）の引退相撲が２８日、東京・両国国技館で開催され、満員の観衆を前に最後の横綱土俵入りを披露した。長男と最後の相撲を取り、断髪式では涙を拭う姿も。サイドを刈り上げた新たな髪形となった親方は、横綱・大関を育てて角界に恩返しすることを誓った。

　断髪式には数多くの著名人が出席し、約２８０人がはさみを入れた。政財界からは森喜朗氏、小泉純一郎氏、鳩山友紀夫氏ら首相経験者やトヨタ自動車の豊田章男社長、スポーツ界からは山下泰裕日本オリンピック委員会会長、巨人の原辰徳監督、サッカー元日本代表の大久保嘉人氏、芸能界からはＹＯＳＨＩＫＩ、吉幾三、松山千春、スティーブン・セガール、小林旭、関口メンディー、デーモン閣下、東山紀之らが姿を見せた。

　取材に応じた松山は「みんなの記憶に残る大横綱。一段と趣がありました」と感想を述べ、「すごい男だなとつくづく思う」とあらためて感嘆した。好角家で知られるデーモン閣下は、宮城野親方からもらった浴衣の生地で作った服で来場。記録だけでなく、角界に不祥事が続いた時代を支え、東日本大震災後の支援活動に尽力したことなども高く評価し「今度は親方業でナンバー１になってもらいたい」と期待した。