坂本花織“今季世界最高”で国体制覇 本人も驚きの出来「引き続きビックリ」
「国体冬季大会・フィギュアスケート」(31日、フラット八戸)
成年女子フリーは、ショートプログラム(SP)1位で、北京五輪銅メダルの坂本花織(22)=兵庫・シスメックス=がフリー157・13点、合計238・63点で優勝した。国内大会のためISU非公認ながら、公認大会における今季世界最高得点をマーク。自己ベストも上回った。今季GPファイナル4位でSP8位の渡辺倫果(青森、TOKIOインカラミ・法大)はフリー148・49点、合計208・63点で2位まで巻き返し。SP2位の三原舞依(23)=兵庫・シスメックス=が3位に入り、兵庫県が優勝した。
ひんやり冷え込む八戸のリンクで、坂本は両足をたたき気合を入れた。真っ赤な衣装で冒頭のダブルアクセルから観衆を魅了。ミスなく迫力満点の演技を見せつけると、表示されたのはISU公認の今季世界最高を上回る高得点だった。SP&フリー、そして合計点全てで“今季世界最高”をマーク。「引き続きビックリ」と驚きの表情だった。
最高気温は氷点下2度。屋内とはいえ、多くの選手が寒さに苦しんだ。全日本選手権では赤に青メッシュを重ねた衣装を新調したが「振り回される」感覚を覚えたという。演技をしながら寒さと衣装の特性、両方に気を使うのは「無理かなと思って」と、今季序盤に着用した赤の衣装を選択。環境に合わせて対応し、好演を見せた。
同じ兵庫代表は同門の三原。全日本選手権は坂本が制したが、GPファイナル、ユニバーシティ冬季大会は三原に軍配。抜きつ抜かれつの関係性に「切磋琢磨(せっさたくま)して、お互いを高め合える。今まで以上にそう思えるシーズンになっている」という。
「私の負けが多いですけど、肝心なところで」と苦笑いを浮かべつつ、「でも、それがあるから、また頑張ろうって思える。いいと思います!」と笑顔。2月のチャレンジ・カップ(オランダ)を経て、連覇が懸かる世界選手権(さいたま)へ。さらなる高得点を誓い調整を進める。