国枝慎吾の国民栄誉賞を政府検討 五輪3度&四大大会制覇に首相「前人未到」 受賞ならパラ初

 政府は3日、車いすテニス男子の第一人者として全ての四大大会とパラリンピックで優勝する「生涯ゴールデンスラム」を達成し、現役を引退した国枝慎吾さん(38)に国民栄誉賞を授与する検討に入った。岸田文雄首相は記者団に「前人未到の活躍をされ、スポーツ界に大きな業績を残した。賞を通じてたたえることができればと思う」と強調。受賞が決まればパラスポーツ界で初となる。

 車いすテニスのレジェンド、国枝さんに栄えある賞が与えられることになりそうだ。四大大会で通算28度の優勝。21年東京パラリンピックのシングルスでは3度目の制覇を果たした。昨年のウィンブルドンを制し、四大大会全制覇とパラ金メダルを合わせた「生涯ゴールデンスラム」を達成。世界の頂点を極め続けた、だれもが認める第一人者だ。

 首相はスポーツ庁の室伏広治長官と官邸で面会。室伏長官は記者団に「本当に喜ばしい。協力する態勢を組んだ」と述べた。松野博一官房長官は記者会見で「パラスポーツ全体の普及とスポーツの発展に極めて顕著な貢献をし、社会に明るい希望や勇気を与えた」と説明した。関係者の意見を聞いた上で最終決定する。

 内閣府によると、国民栄誉賞はスポーツや芸能、文化などの分野で功績を上げた個人、団体をたたえるため、1977年に創設した。これまで27例あり、直近ではフィギュアスケート冬季五輪男子2連覇の羽生結弦さん(28)が2018年7月に受賞している。

 国枝さんは今年1月22日に引退を表明。自身のツイッターに「最高の車いすテニス人生でした」などとつづった。7日には都内で引退会見に臨む。

 受賞が決まれば、パラスポーツ界では初めて。数々の栄誉を手にしてきた国枝さんにまた一つ、勲章が加わる。

 ◆国枝慎吾(くにえだ・しんご)1984年2月21日、千葉県出身。9歳で脊髄腫瘍のために下半身が不自由になり、母親の勧めで小学6年からテニスを始めた。09年にプロ転向。パラリンピックのシングルスは08年北京、12年ロンドン、21年東京の3大会で金メダルを獲得。四大大会シングルスは通算28度優勝。173センチ、65キロ。右利き。

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