ロコ・ソラーレ初連覇で7年ぶり世界選手権 藤沢五月「笑顔で戦いきれたのが勝てた要因」

 「カーリング・日本選手権」(5日、アドヴィックス常呂カーリングホール)

 男女決勝が行われ、女子は22年北京五輪銀メダルのロコ・ソラーレがSC軽井沢クを7-5で下し、2年連続4度目の優勝を果たした。日本選手権連覇はチーム初。銀メダルを獲得した16年以来7年ぶりとなる世界選手権(3月、スウェーデン)の出場権を獲得した。スキップの藤沢五月(31)は、優勝回数が女子史上最多の8回目となった。男子はSC軽井沢クが北見協会を6-2で下し、2連覇。史上最多の10度目の優勝で、4月の世界選手権(カナダ)の出場権を獲得した。

 派手さはなくても、強かった。2点リードで迎えた最終第10エンド。藤沢のショットが決まり、ハウス(円)内に相手の石がなくなった。残り1投だった相手の勝利が消え、チーム初の連覇が確定。藤沢は「私たちらしく笑顔で戦いきれたのが勝てた要因」と誇らしく振り返った。

 序盤につかんだ流れを手放さなかった。第2、第3エンドで連続スチール。4-0とリードし、その後も着実なプレーで隙を最後まで与えなかった。「リードしても緊張感を持てた」。油断せずに最後まで戦い抜いた。

 今大会のテーマは「グッドムード」と「グッドテンション」。大会直前に日本勢で初制覇したワールドツアー最高峰のグランドスラムのように、いい雰囲気と緊張感を両立させたプレーが目標だった。藤沢とセカンドの鈴木夕湖(31)が転倒するハプニングに見舞われても「厄年を笑いに変える」と笑顔を絶やさなかった。

 チームに元気を与えた“転倒事件”。大会MVPを獲得した吉田知那美(31)は「取れたのは転ばなかったから」とジョークを交えつつ、「さっちゃん(藤沢)は『ちょっと落ち込んだ』と言っていたけど、私たちは『かわいいな』と。あれ(藤沢の転倒)がロコ・ソラーレのMVPシーン」と楽しげに総括した。

 一方で集中力も見せた。強みのコミュニケーションを生かすため、積極的に氷の状況を情報交換。鈴木は「話しまくって戦おうとしてました。ババアなんで。お話得意なんで」と笑ったが、「集中していいコミュニケーションが取れた」とうなずいた。

 16年以来となる世界選手権。出場予定だった20年大会は新型コロナ禍で中止となったため7年ぶりの出場だ。藤沢は「若さはないかもしれないけど、それ以上に7年間の経験(がある)。たくましく成長した姿を見せられるようにしたい」。熟成したチームが新たな夢に向かう。

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