車いすテニスで２１年東京パラリンピック金メダルなど、数々のタイトルを獲得した国枝慎吾（３８）＝ユニクロ＝が７日、都内で引退会見を開き、「最高のテニス人生を送れたと言い切って、締めのあいさつとさせていただきたい」と晴れやかな表情で語った。

　国枝は車いすテニスの第一人者で、２００９年にプロ転向。パラリンピックではシングルスで３つの金メダルを獲得した。昨年７月のウィンブルドン選手権で初優勝し、四大大会を全て制す「生涯グランドスラム」を達成。今年１月２２日、自身のＳＮＳで現役引退を表明していた。

　「東京パラリンピックが終わってから引退についてはずっと考えていた。昨年グランドスラムのタイトル４つのうち３つ獲得して調子はよかったが、（生涯タイトルで）最後に残されたウインブルドンの優勝が決まった後に一番最初に出た言葉が『あ、これで引退だな』と。（それが）芝生のコートの上で一番最初に出た言葉だった。その後も勝っていたのでそのままのモチベーションでいけたが、全米が終わってから『十分やり切ったな』と、ふとした瞬間に口癖のように出て、このままテニスをしていていいのかなと。これはそういう（引退の）タイミングなのかなと決意した」と明かした。

　◆国枝慎吾（くにえだ・しんご）１９８４年２月２１日、千葉県出身。９歳の時に脊髄腫瘍を発症し車いす生活に。母の勧めで１１歳の時に車いすテニスを始める。パラリンピックは５大会連続出場。ダブルスは０４年アテネ金、０８年北京と１６年リオデジャネイロで銅。シングルスは北京と１２年ロンドン、２１年東京で金。０９年に車いすテニス選手として日本人初のプロ転向を宣言した。