千葉百音「銅」 羽生さん後輩の17歳が快挙 憧れは「同じリンク出身の羽生結弦選手」
「フィギュアスケート・四大陸選手権」(10日、米コロラド州コロラドスプリングズ)
女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)7位の千葉百音(17)=東北高=がフリー自己ベストの137・70点、合計204・98点で日本勢トップの3位に入った。SP8位で3月の世界選手権(さいたま市)代表の渡辺倫果(TOKIOインカラミ・法大)は5位。SP10位の吉田陽菜(木下アカデミー)は8位だった。ペアSPは三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が71・19点で首位発進。アイスダンスのリズムダンス(RD)は、小松原美里、小松原尊組(倉敷FSC)が6位、前回2位の村元哉中、高橋大輔組(関大KFSC)は7位だった。
17歳が快挙だ。千葉はシニア初の主要国際大会とは思えない堂々とした演技で、フリー自己ベストをマーク。3位で表彰台に乗り、「銅メダルを取れるとは夢にも思っていなかった。驚きの感情とうれしい感情が同じぐらい」とはにかんだ。
3回転サルコーなど、流れるように次々とジャンプを決めて、フリー曲「バタフライラバーズ」を優雅に舞った。演技後は両手で力強くガッツポーズして喜びを爆発させた。「緊張した中で練習通りの演技ができたのがすごく大きな成果」と胸を張った。
宮城県仙台市出身。五輪2連覇の羽生結弦さん、06年トリノ五輪金メダリストの荒川静香さんを輩出したアイスリンク仙台で腕を磨く。2人が通った東北高の後輩でもある。憧れの選手は、「たくさん尊敬する選手がいる」と悩みながらも、「同じリンク出身の羽生結弦選手は、そのうちの一人として名前を挙げるべき」と、大先輩を掲げた。
初の大舞台を前に、「感覚がにぶらないように練習を続けたい」と年末年始は休みを返上。元日から滑り込んで仕上げてきた。指導する田中総司コーチは「繊細な演技をする子」と表現力にも太鼓判を押す。
今季はジュニアを主戦場としたが、来季はシニアに本格参戦する。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)や4回転ジャンプなどの大技習得にも意欲を見せた新星。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪出場へ、「年齢的にもピークの五輪。そこを目指して今、頑張っている」と初々しく宣言した。
◆千葉 百音(ちば・もね)2005年5月1日、仙台市出身。競技を5歳で始めて以来、アイスリンク仙台が拠点。20年、22年のチャレンジカップ(ジュニア)で優勝。22年ジュニアグランプリ(GP)シリーズのポーランド大会2位、イタリア大会4位。同年全日本ジュニア選手権2位、同年全日本選手権5位。趣味は読書。東北高校。155センチ。