17最・三浦佳生 チェン超え最年少V 「衣装を忘れて」会場入りでも影響なしの大物ぶり

 表彰式で、日の丸を広げる三浦佳生(共同)
 四大陸選手権の男子で史上最年少優勝を果たした三浦佳生(共同)
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 「フィギュアスケート・四大陸選手権」(11日、コロラドスプリングズ)

 男子フリーで、前回大会3位の三浦佳生(かお)=オリエンタルバイオ・目黒日大高=がショートプログラム(SP)に続いて1位の189・63点を出し、合計281・53点の自己ベストをマーク。22年北京五輪金メダルのネーサン・チェン(米国)が17歳9カ月で頂点に立った17年大会を更新する、17歳8カ月で史上最年少優勝を果たした。日本勢の制覇は20年の羽生結弦以来7人目。佐藤駿(明大)は3位。ペアのフリーは三浦璃来(りく、21)、木原龍一(30)組(木下グループ)がフリーも1位の137・05点を出し、合計208・24点で日本勢初優勝を果たした。

 成長著しい17歳は、両手でガッツポーズを作って喜びを爆発させた。最終滑走で登場した三浦は、序盤で4回転-3回転の連続トーループを降りると、後半で単独の4回転トーループを3・66点の加点がつく出来栄えで成功。フリー、合計ともに自己ベストで、採点を聞いたキスアンドクライでは「おおー!やばい!」と歓喜の声を上げた。

 チェンの最年少記録を塗り替える17歳8カ月で初優勝。歴史的な優勝に「こういう演技ができて、自分自身を誇りに思う」と感極まった。

 シニアに本格参戦した今季、早速強さを見せつけている。グランプリ(GP)シリーズでは2戦とも2位で、上位6人が進めるGPファイナルでは5位と健闘。今年はおみくじの恋愛運に「願わぬ」と書いてあったことから、「スケートが彼女の年」と宣言してスタートしていた。

 試合後の会見では「今日衣装を忘れてきてしまって…」と衝撃の告白。何とか衣装は届いたといい「たくさんの方のおかげ。全員の力が集まった最終形態の演技。『パワー爆発』みたいな感じです」と爆笑を誘った。

 “三浦節”は止まらなかった。フリー曲は「美女と野獣」。有名な旋律に乗せてノリノリで舞っていたが「自分はビューティー(美女)には多分なれない。ビューティー成分ないんで。自分はビースト(野獣)の方が似合っている」とちゃめっ気たっぷりに笑った。

 今後は世界ジュニア選手権(3月、カナダ・カルガリー)に出場する。シニアの頂点に立った力を、再び発揮する。

 ◆三浦佳生(みうら・かお)2005年6月8日、東京都出身。昨季は全日本ジュニア選手権で初優勝し、四大陸選手権3位、世界ジュニア選手権は13位。シニア本格デビューの今季はGPシリーズで2戦連続2位、初進出のGPファイナルは5位。目黒日大高2年。趣味は野球観戦とキャッチボール。168センチ。

 ◆四大陸選手権 欧州を除く四大陸(アジア、北中南米、アフリカ、オセアニア)の選手を対象として1999年に創設された。世界選手権や欧州選手権より歴史は浅く、世界選手権に向けた調整の舞台に位置づける選手も多い。日本勢は前回までで男子は8回、女子は15回優勝。村主章枝、浅田真央はともに3度制している。

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