SHIGEKIX 日本選手権3連覇 ブレイクダンスのパリ五輪金候補も感激MAX

 3連覇を果たしたSHIGEKIX(撮影・園田高夫)
 (左から)2位のSHADE、SHIGEKIX、3位のNORI
 即興でダンスを披露した岡村隆史
3枚

 「ブレイクダンス・全日本選手権」(19日、代々木第二体育館)

 決勝が行われ、男子は昨年の世界選手権銀メダルの半井重幸(ダンサー名・SHIGEKIX、20)が岡田修平(SHADE、33)を3-0で下し、3連覇を果たした。24年パリ五輪切符がかかる世界選手権(ベルギー)に向けて好発進した。女子は福島あゆみ(AYUMI、39)が、世界選手権女王の湯浅亜実(AMI、24)を破り、2連覇を飾った。

 24年パリ五輪新種目の金メダル候補が、圧倒的な実力を見せつけた。「殴り合わないボクシング」と称されるブレイクダンス。煙に包まれた赤コーナーから登場した半井は、即興で流される音楽のリズムに、ピタリと合わせたダイナミックな踊りを披露した。

 背中などで回転する「パワームーブ」は鋭く力強く、動きを瞬時に止める「フリーズ」は芸術的。圧巻のパフォーマンスで場内を独り占めにした。「ふり絞って躍った瞬間は他にはない気持ちが前に出た。うれしい言葉しか出てこない」。3連覇達成の瞬間は、タオルを顔に覆って天を仰ぎ、込み上げる感情を必死にこらえた。

 五輪新種目として注目され、マスコミや街中の看板、さらには電車内のモニターにまで自分が踊る映像が流れた。「渋谷の町を歩いていたら自分にめっちゃ会う」。大会が近づくにつれてプレッシャーは増していった。

 それでも第一人者としての使命感が、自分を支えた。「五輪金メダルを取りたいと思っている自分なのであれば、これぐらいの重圧は感じた方がいい。これをちゃんと乗り越えた先が(金メダルの)姿かな」と自らを奮い立たせ、エネルギーに変えた。

 9月の世界選手権(ベルギー)では夢舞台への切符をかけた戦いが始まる。前回大会は準優勝。「パリ五輪に向かって全力で突き進んでいきたい」と語った半井は「ブレイキンの象徴になるような存在になっていけたら」と壮大な夢も口にした。20歳の若きエースが、パリの舞台で初代王者を目指す。

 ◆半井重幸(なからい・しげゆき)ダンサー名SHIGEKIX 2002年3月11日生まれ。大阪府出身。7歳の時、姉の彩弥(AYANE)の影響でブレイキンを始める。14年に仏国で開催された「Chelles Battle Pro」のU12部門で優勝。20年の「Red Bull One World Final 2020」で歴代最年少優勝。22年世界選手権は2位。166センチ。

 ◆採点 JDSF(日本ダンススポーツ連盟)は独自の絶対評価審判方式を導入している。①技術(難易度、バリエーション、ボディコントロール、クリーンさ/スムーズさ)②表現(雰囲気の独自性、独創性、トランジション、ディティール)③総合性(構成、完成度、音楽性、パフォーマンス/バトル)と3つの評価基準とそれぞれの評価項目があり、それぞれ4.00~40.00で採点される。これに意表を突く表現「サプライズ」は加点され、「リピート」(繰り返し)や「クラッシュ」(バランスを失う)などの減点項目もある。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス