池田向希 完勝初Vで世陸内定 みちょぱのはとこ「ブダペストでは金メダルを」
「陸上・日本選手権20キロ競歩」(19日、六甲アイランド甲南大周辺コース)
男子は東京五輪と昨年の世界選手権(オレゴン)で銀メダルの池田向希(24)=旭化成=が1時間18分36秒で初優勝。8月の世界選手権(ブダペスト)代表に内定した。昨年の覇者、高橋英輝(30)=富士通=も2位に入り、世界選手権代表入り。女子は東京五輪代表の藤井菜々子(23)=エディオン=が1時間29分54秒で2年ぶりに制覇したが、この大会で世界選手権出場は決められなかった。
前半から高橋との一騎打ちとなった池田は、16キロ付近でスパートをかけ、31秒差をつけて制した。この日は雨天に加え、時に風速が2メートルを超えることもある悪条件。その中で「うまく向かい風と追い風をコントロールして主導権を握れた。風を利用して、向かい風の時に前に出てペースアップを繰り返した」と、消耗戦をしかけて完勝した。
一度も審判から注意を受けず、完璧に歩型を保った池田に、五輪2大会出場の高橋も「今年の池田君のフォームは完成されている」と感嘆。「一緒に歩く怖さがあった」と歩型の比較を恐れたほどだった。
昨年の世界選手権では、7秒差で山西利和(愛知製鋼)に敗れて銀メダル。その山西はすでに今年の世界選手権の出場権を手にしており、この日は会場の解説者として盛り上げた。池田は「ブダペストでは金メダルを取りたい。山西選手に勝って初めてうれしさがある」と、大舞台でのリベンジを見据えた。