19歳・堀川桃香 大胆策を完遂してW杯初V「初めてだったので、すごくうれしかった」
「スピードスケート・W杯最終戦」(19日、トマショフマゾウィエツキ)
女子マススタートで19歳の堀川桃香(富士急)がW杯初優勝を果たした。同1000メートルは北京五輪金メダルの高木美帆(28)=日体大職=が1分15秒67で3位となり、同五輪銀メダルのユタ・レールダム(オランダ)が1分14秒94で制した。高木は2季連続の1500メートルに続き、この種目初の種目別総合優勝をした。
堀川が思い切った策を完遂した。マルテ(カナダ)とレース中盤で抜け出し、けん制し合う後続集団を置き去りにした。最後のデッドヒートを制して金メダルを手にし「初めてだったので、すごくうれしかった」と愛嬌(あいきょう)のある笑みを振りまいた。
この種目はメダルが「日本のジュニアで1回」との記憶がある程度で得意ではない。コーチからの指示は、ショートトラック出身で戦術面にたけるマルテを「ずっとマークしろ」だった。ひたすら追い続け、終盤は長距離レースで培った体力がものをいった。
北海道・白樺学園高3年だった昨年は北京五輪に出場し、5000メートルで10位。入部予定の日本電産サンキョーが春に突如廃部となり、急きょ富士急へ入社する異例の経験で社会人生活が始まった。
今季は全日本選手権2冠に続き、今月に世界ジュニア選手権の3000メートルで優勝。「ここでいい弾みをつけて、また世界選手権も頑張りたい」。3月のヘーレンフェイン(オランダ)で、さらなる高みを狙う。