【羽生結弦さん一問一答】ちっぽけな人間であったとしても
フィギュアスケート男子の2014年ソチ、18年平昌両五輪金メダリストで、プロフィギュアスケーターの羽生結弦さん(28)が総指揮を執る、スケーター史上初の東京ドーム単独公演アイスショー「GIFT」が26日、開催された。以下、主な一問一答。
-東京ドームでのショーを終えて。
「大変なことだらけでしたけど、ドーム公演というより、一人でこの長さのスケートのエンターテインメントを作ることが非常に大変だった。ドームという会場だからこそできる演出、本当に名だたるメンバーが集まっているからこそできた、総合エンターテインメントを作れたのではと今は実感している」
-新たな表現の可能性ができたのでは。
「課題ももちろん出ているし、もっとこうすればよかったな、みたいな思いはあるけれど、この『GIFT』という公演は一回きり。フィギュアスケートならではの一期一会な演技が一つずつできたことは、自分自身すごく誇りを持っている。少しでも皆さんの中に、ほんの一つのピースでもいいので記憶に残ってくれたらうれしい」
-3万5000人の視線を集め、そのパワーと対峙することはどう感じたか。
「正直、この会場に入って思ったことは、自分って何てちっぽけな人間なんだろうってこと。ただ3万5000人の方々、そして空間全体を使った演出をしてくださった皆さんの力を借りたからこそ、ちっぽけな人間であったとしても、いろんな力が皆さんに届いたんじゃないかなという気はちょっとしている。ある意味では、震災の時に、一人一人だったら何もできなかったなって記憶とちょっと似ていて。皆さんの力が『羽生結弦』という一つの存在に対して集まったからこそ進めた、伝えられた公演だったのではと思う」
-東京ドームの景色は。
「技術的に言えば、平衡感覚とかすごいつかみづらかったです。スポーツ選手なんでそういうこと言っちゃうんですけど。でもこれだけの方々の前で久しぶりに歓声を浴びながら6分間練習だったり試合のプログラム達をいろいろやってみて、本当に幸せでした」