エレベーターの保守点検等の事業を手がけるジャパンエレベーターサービスホールディングスは２７日、４月１日付で新たに柔道部を設立すると発表した。日本男子代表前監督の井上康生氏（４４）をゼネラルマネージャー（ＧＭ）に迎え、井上氏の実兄・智和氏（４７）が監督に就任。男子９０キロ級のパリ五輪代表候補で世界選手権（５月・ドーハ）代表の村尾三四郎（２２）＝東海大＝ら選手５人が入社する。

　井上康ＧＭは、東京五輪前から親交があった同社の石田克史ＣＥＯの人生観や企業理念に共鳴し、新たな実業団チームの構想を練っていたといい、「社会に貢献できる活動を行いたい」と所信表明。また、警視庁でコーチを務めていた井上智監督も、新チームでは競技力強化の前に人間育成を第一に掲げ、「柔道の強さはもちろん、人間としても尊敬されるスーパーヒーローを育成したい」と力を込めた。

　設立初年度からパリ五輪代表候補の村尾が加入するが、井上智監督は「一言で言うとかなりのプレッシャー。村尾選手が入ってくると聞いて非常にプレッシャーを感じたし、監督することを決めてから体重が５キロくらい減った」と激白。「それくらい村尾選手は素晴らしい選手。五輪、金メダルを取るという目標に向けてサポートしていきたいと考えている」と期待を込めた。

　隣で聞いていた井上康ＧＭは「今一番プレッシャーが掛かるのは監督。正直５キロは盛ったなと思うが…」と即ツッコミを入れつつ、「（兄から）話が出るのは柔道部のことばかり。（監督は）選手のこと、柔道界のことを考えて取り組まれている。新しい会社に入ってくる彼にしても決断、覚悟を持って入ってくる。われわれも責任を持って、何を提供してあげられるか。パリ五輪チャンピオンに向けて柔軟にサポートしていきたい」と語った。