車いすテニス国枝慎吾さん パラスポーツ界初の国民栄誉賞決定「皆さまの情熱が認められた」
岸田文雄首相は3日、車いすテニス男子で四大大会とパラリンピックの全てで優勝する「生涯ゴールデンスラム」を達成するなど第一人者として活躍し、今年1月に現役引退した国枝慎吾さん(39)への国民栄誉賞授与を決定した。パラスポーツ界で初めて。授与式は17日に官邸で実施する。
車いすテニスのレジェンド、国枝さんにまた一つ勲章が加わった。四大大会通算28度の優勝。パラリンピックのシングルスでは2008年北京、12年ロンドン、21年東京の3大会で金メダル。世界のだれもが認める第一人者に、パラスポーツ界初の国民栄誉賞授与が決定した。
今年1月に現役引退した国枝さんはマネジメント会社を通じ「大変光栄に思うとともに、身が引き締まる思い」との談話を発表した。東京パラリンピックでは日本選手団の主将を務め、金メダルも獲得。「無観客ではあったが、国民の皆さまからの期待と声援を肌で感じ、人生最大の経験をさせていただいた」と回顧した。
授与式は17日に開かれる。「私の選手活動を支えてくれた皆さまの情熱が認められたもの。車いすテニスのみならず、パラスポーツ界のさらなる発展につながることを祈念する」と思いを記した。
国民栄誉賞は1977年に創設。これまでに27例あり、直近ではフィギュアスケート冬季五輪男子2連覇の羽生結弦さんが2018年7月に受賞している。