14歳・島田麻央が感涙V “真央超え”日本女子史上最年少 「びっくりとうれしいの両方」
「フィギュアスケート・世界ジュニア選手権」(3日、カルガリー)
女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位で今季のジュニアグランプリ(GP)ファイナル女王の島田麻央(14)=木下アカデミー=が、ともに今季世界最高得点となるフリー152・76点、合計224・54点で、日本女子史上最年少優勝を果たした。2005年の浅田真央さんの記録を1カ月更新する14歳4カ月だった。日本女子では16年の本田真凜(JAL)以来8人目の制覇。SP3位の中井亜美(14)=TOKIOインカラミ=はフリー130・12点、合計197・40点で3位に入った。
14歳の「麻央」が憧れの「真央」の記録を塗り替えた。圧巻の演技を終えた島田は両手でガッツポーズを作り、満面の笑みを浮かべた。日本女子史上最年少優勝の快挙。「憧れの選手を超えられたことが、びっくりとうれしいの両方」とうれし涙を流した。
2位以下に20点以上差をつける圧勝劇だ。冒頭の大技・トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めると、続く大技・4回転トーループを着氷。4回転トーループは惜しくも回転不足になったが、日本女子史上初の大技同時成功まであと一歩に迫る演技だった。涙の理由は「練習でも思うように跳べなくて結構辛かった時もあった。今回跳べたのでそのうれしさ」だった。
「麻央」は母・歩さんがファンだった浅田さんの名前から由来する。歩さんは幼い島田を抱きかかえ、浅田さんの滑りをテレビ画面にくぎ付けになって観戦。それだけに島田は「(優勝で)同じ位置に立てたことはすごくうれしい」とかみしめた。
日々の疲れは岩盤浴や、かんきつ系の香りの入浴剤で癒やしている。近所の岩盤浴場には「行ける日は絶対行きたい」というほどで、訪れた際は1回20分の岩盤浴を3~4セット行う。大会後に心身ともにリフレッシュし、次の戦いへ切り替える大事な時間だ。
26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪は年齢制限で出場できないが「残念とは思っていない」と前を向く。来季へ向け「どこかに行ったりリラックスをして過ごして新しいプログラムとかを作ると思います」。無限の可能性を秘めた14歳の目は、きらきらと輝いていた。
◆島田麻央(しまだ・まお)2008年10月30日、東京都出身。5歳で競技を始めた。20年春から浜田美栄コーチに師事。小学6年時の21年3月に京都府選手権でISU非公認ながら日本女子初の4回転トーループに成功した。今季は全日本ジュニアで2連覇し、ジュニア・グランプリ(GP)は昨年12月のGPファイナルを含めて3戦全勝。特技は縄跳び、趣味は料理、食器集め、岩盤浴。150センチ。