11度目対戦も 阿部一二三「最大の敵は自分」丸山城志郎「直接対決可能性高い」5月世界選手権へ闘志
柔道の世界選手権(5月、カタール・ドーハ)日本代表が10日、都内で記者会見を行った。男子66キロ級は、東京五輪金メダルで昨年大会覇者の阿部一二三(25)=パーク24=と、昨年準優勝の丸山城志郎(29)=ミキハウス=が再び2人同時出場となる。24年パリ五輪代表争いでも大きな意味を持つ一番に向けて、阿部は「最大の敵は自分。しっかり自分に打ち勝って、2連覇を目指して頑張ります」と気合。丸山は「自分を信じて、執念を持って戦いたい」と静かに語った。
2人は史上初の一騎打ちとなった東京五輪代表決定戦の24分間の死闘を経て、代表権を勝ち取った阿部が東京五輪で金メダルを獲得。通算10度目の直接対決となった昨年の世界選手権決勝は、阿部が小外掛けで勝利し、パリ五輪代表争いで先行した。一方の丸山も、崖っぷちで臨んだ12月のグランドスラム(GS)東京大会で苦しみながらも優勝し、世界切符をもぎ取った。
5月の世界選手権では、11度目の直接対決の可能性もある。直近4連勝で、通算6勝4敗と勝ち越している阿部は「どこで当たるかわからないが、当たったときは2人の対戦を見てもらえればいい」と自信をのぞかせ、丸山は「直接対決の可能性は非常に高いと思っている。その時は全力で戦うのみ」とライバル心を隠さなかった。
さらに、丸山は会見前に行われた取材で「意気込みはもちろん優勝。内容とかではなく、結果だけを求めて優勝を目指す。自分の柔道を見せるとか、(一本で)きれいに勝つとかじゃなく、本当に勝ちにこだわって執念を持った柔道を見ていただけたら」と、持ち味の美しい柔道を犠牲にしてでも勝ちにこだわる不退転の決意を示した。